ミナトと私、クシナは高校2年生。最近、いろいろありすぎて学生の最大の天敵、テストの存在をすっかり忘れていた。
「よし、明日からクシナ徹夜で頑張ろう!!」
「今日からじゃないの?」
勉強の時間が少ないんだから今からでもした方がいいに決まってる。
「うーん、でも、クシナはまだ本調子じゃないでしょ?それに、」
「それに?」
「最近、イチャイチャ出来てなかったし」
言うが早いか、ミナトは私に抱きつきにきた。さらさらとミナトの髪が私の首元を擽る。
「ミナト、くすぐったいよー」
「クシナ」
「っ、」
何?こんなミナト知らない。
「クシナ」
「な、に…?」
「クシナが昨日俺の目の前で倒れたとき、俺心臓が張り裂けそうだった…怖かった。昨日はいいけど、俺の知らないところで昨日みたいなことがあったらって……思うと」
そう言いながらミナトの腕に力がこもる。だけど、その腕はまるで壊れ物を抱きしめているかのように優しかった。
「ミナト、ありがとう」