02




「……クシナ?」


勢いよく抱きついた(飛びついた)にも関わらずミナトは私をしっかりと抱きとめてくれた。


「……誰?私、知らないよさっきの子、」

「…ミコトのこと?」


名前なんて聞きたくない。私ってうざい子なのかな?家に来た女の子をいちいち探索して、


「ははは、」

「ミ、ミナト?」


声を出して笑うミナトに驚いて見上げた。ミナトはとても優しい顔で笑っていた。え?この状況で笑う??


「俺、愛されてるって自惚れてもいいのかな?」


なんて、にこにこしながら言ってくるもんだから、


「っ!し、知らない!!」

「俺は愛してるんだよ?もちろん、クシナのこと」

「///」

「ミコトは幼なじみだよ。それにミコトには彼氏もいてるしね」

「……ん、分かった」

「……クシナ」

「駄目なんだってばね。ミナトに会ってから私、弱くなっちゃったってばね……」


本当に弱くなった。昔の私なら独りだって、誰かが誰かを好きとか嫌いだとか別に気にならなかったのに。


「クシナ……?」

「私ね、小さな頃に両親が死んで、親戚の間をたらい回しにされてね…」


私は愛される資格なんてないと思ってた。だから、独りでも大丈夫だったし怖くなんてなかった。だけど、ミナトがあまりにも普通の愛を私にくれるもんだから…

私の話しをミナトには聞いてほしいと思った……