ミナトの部活が終わって2人で帰ろうと学校の門をくぐるとあの人は私たちを待ち構えていた。
「……自来也先生、こんなとこで何をしてらっしゃるんです?」
「お前たちの親睦を深めてやろうと儂が一肌も二肌も脱いでやろうとのぅ」
「……先生、結構ですから」
並んで歩いていたミナトは私の視界から先生を外すように私の前に立つ。
「ちょっ、ミナト?」
「クシナは黙っててね?」
ミナトの物腰は相変わらず柔らかいけど、明らかに黒い。
「最近、ミナトは儂に冷たいのう…」
確かに…以前のミナトとは違う。でも、ミナトの目は優しいままだからいいかな。
「まったく、クシナは愛されとるのぅ」
「…えっ///」
「クシナに絡まないで下さいよ、先生。俺たち今から夕飯の材料買うのにスーパーへ行くんですから」
少し前、スーパーの特売日の帰りにミナトに会った日から荷物持ちとして付き合ってくれているミナト。
「今日はスーパーに行かんでいいぞ、」