あなたと……






ナルトと両想いになって早3か月。多忙な六代目様であるナルトとはもう随分とあってない。付き合って初めこそ毎日のようにあっていたが、そのナルトが影分身であることに気づいてしまった日に大喧嘩をしてしまいそれからはオリジナルとしか会わない約束になった。


「悪いのは私だけど…」


本音はナルトに今すぐ会いたい。会って傍に居れるだけで私は幸せだって胸を張って言える。だけど、傍に居ることでさえナルトとは難しい。私は贅沢なことを言ってしまっているのだろうか?
特殊な環境で育った私には人に甘える術は持ち合わせていない。なのに、ナルトにはその下手くそな甘えが出てしまって自分自身では上手くコントロールが出来ないのだ。
世の中の恋人は一体何をしているのだろうか?何をすれば恋人なのだろうか?物語の中の恋人たちはいつもいつも一緒にいて手を取り合い一緒にに過ごしている。
なのに、ナルトと私は会うことすらしていない。どこにいて何をしているのか分かっていても会う術を私は持っていない。見かける背中は分身でその分身ですら今は遠い。



◇◇◇



サクラといのに誘われて甘味処でお茶をすることになったある日。サクラといのは私が木の葉に来て初めて出来た友人。2人とも物事をハッキリと言うタイプである。でも、自分に嘘つかず真っ直ぐ言葉を言う2人を羨ましく思い、尊敬している。


「なまえ、あんた3カ月もナルトのやつと会ってないの?!」

「だいたい3か月ね…ナルト相変わらず忙しいみたいで」

「3か月って付き合ってる期間じゃない。…事務処理苦手だしね、ナルトは」


幼少期からナルトのことを知っている2人にとっては今のナルトは根本的には変わっていないらしくドベだった話が行き交う。


「それで、私腹が立っちゃって影分身で会いに来るなって言って…」

「影分身のナルトに攻撃して消した…と、」

「はい…」

「なまえって意外とキレたらヤバいタイプなのね…ね、サクラ」

「なんで、私に振るのよ!!!……とにかく、ナルトと話してみなくちゃ」

「分かっているんだけど…、1人の時間が長すぎて悶々と考えちゃって…私ががナルトの隣にいていいのかも分からなくなっちゃって……、」

「なまえさんはズルいです!!」


すると、そこには以前に焼肉屋さんの集まりにいた日向ヒナタさんが仁王立ちで私を見下ろしていた。
ヒナタさんからはピリピリとしたチャクラを感じ、あまりヒナタさんの事を知らない私にでもこれは怒っていることがわかった。重々しい雰囲気に包まれた甘味処。
ヒナタさんのことはサクラに聞いて知っている。幼い頃からナルトをずっと見てきてナルトに影響された1人であることを。


(ヒナタさん…場所、変えません?)










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