06 殺せんせーの時間



私は、殺せんせーの放課後ヌルヌル強化学習を受講していた。行く気なんて全く無かったけど毎日毎日泣きすがれて受講することに。今、思えばだいぶこの非日常に馴染んだと思う。不安もいっぱいあるけど中学生活をなかなか上手に送れていると思う。人の適応能力って素晴らしい…まぁ、成績は別として


「おや、なまえさん ヌルヌル強化学習中に勉強以外の考え事ですか?」

「ネーミングセンス…。それに私、何度も言うように勉強する気ないんですって」

「…君は基本の理解は比較的早い しかし、応用問題に入ると途端に殺る気をなくしてしまう傾向にありますね」


基本は一度習って理解したところだし勉強をわざわざしなくても大丈夫。そう問題は殺せんせーの言う通り応用問題。殺る気がないのもあるけど、ここの中学校の応用問題のレベルに必要性を全く感じないし私には必要のないものだから。


「…ここまでの応用問題必要ありますか?」

「確かにこの学校の応用問題のレベルは高い。正直、社会に出てから使うことも少ないでしょう。しかし、学生の時に頑張った努力というのは社会に出てから大いに役立つものなのです」

「……」


この先生はいつも的確なことをいう。私は今までの人生何となく過ごしてきた。怒られることが当り前なのだか苦手なので怒られないように、注目されるのが苦手なのでみんなに紛れて目立たないように。努力もせず何となく何となく…その場をやり過ごしてきた。

学生の頃というものは、親であったり先生たちが私自身出来なくても成るように卒業出来るように結果が出るようにしてくれていた。それに気づいたのは社会に出てからで、

社会に出ると上司、同僚の信頼は私自身の行動によるもので。問題解決能力などなかった私には一つ問題に躓いてしまうとガタガタと社会での信頼は崩れてしまった。それだけではなく、人間関係も自己中心的で人を見下す人は何処にでもいるわけでそう云う人は人付き合いが抜群に上手い。


「努力…」

「そうです。学生時代には努力することが大切で努力すればそれなりの結果が後からついてくるものです」


この先生は暗殺対象だけど、私が出会った今までの先生の中で一番素敵な先生だ


(殺せんせー疲れたー)
(にゅや!また、なまえさんは休んで、)
(エクレア食べない?)
(にゅや!!!いいんですか!!)
(いいよーはい、どうぞ!)


誘惑には弱い先生だけど、ね