02 非日常になった時間
6:30 起床。私を起こすために鳴り続けている目覚まし時計を止める。欠伸と伸びを一つして寝室からキッチンへ。昨夜仕掛けておいた炊き立てのご飯を混ぜて簡単な朝食と一緒にお弁当も作る。
中学生ならあり得ない朝からの行動。
しかし、私は中学生ではなく中身は社会人なわけなのでこの行動は当り前になる。
そう…社会人だった。
私のことを少しだけ知ってもらうとすれば私はこの世界の住人ではない。だからって人間でないことはなく、もちろん人間である。こんなことになったのは4月の初め、私はこの世界のある組織による実験のためこの世界に来てしまった。それまでは平凡なOLだったわけで中学生なんて遠い昔のこと勉強なんてできない。しかも、通うことになったのは名門私立中学校。……授業なんてさっぱりだ。
そして、私の編入先はその名門中学校、椚ヶ丘中学校3年E組…通称エンドのE組。
「なまえちゃんは殺せんせーを殺しにいかないの?」
休み時間。机に突っ伏して寝ていると渚君が話しかけてきた。唐突な質問に頭を傾け暫し考える。そう云えばさっきの授業は体育で簡易的な殺せんせーへの暗殺実践だったとか、
「渚君…。私はね、暗殺とか興味ないのよ」
「えーなまえちゃん殺しにいかないの?殺しを許されているこんな面白い環境(教室)なのに」
急に現れたカルマ君。彼は以前1人で殺せんせーにダメージを与えた生徒で、たくさん手入れをされた生徒。にこにこと笑顔を見せているが中学生特有の相手を見下す構え。
「……私は仕方ないんだよ」
「どういう意味?」
「……!…あ、カルマ君数学教えて。赤点取らないくらいの」
「はは、良いよ別に。なまえちゃんって本当要領良いんだか悪いんだか」
「悪いでしょ。良かったらこんなギリギリな勉強してないって」
今は現実(いま)を生きるしかないのだから……
殺せんせーと3年E組のみんなと私の暗殺教室
始業のベルは明日も鳴る