あなたはあなただから (後編)

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「え?坂田さんについてですか?」


コスプレかな?と思われる黒の忍び装束に身を包んだ山崎さんが洗濯途中に軒下から現れた。雰囲気が大切らしくこそこそと小声で会話し振り返らないで洗濯しながら答えてほしいと言われた。


「んー、不思議な雰囲気のある方ですよね?ちゃらんぽらんで神楽ちゃん曰く“マダオ”らしいですけどでも、困ったときは皆が頼りたくなるそんな方だと思います」

「え?攘夷活動???…坂田さんのことだからそんな難しいこと考えていないと思いますよ」


◇◇◇


      報告書

    攘夷活動とか
    旦那はしてないと思います。
    それはなまえちゃんや女の子が
    やっていないと言っていたから
    です。
    その娘の笑顔が見たかったんだ
    ろうとなと僕は思いました。

              山崎 退


「ったく、山崎の奴!」

「あ、土方さんお疲れ様です」

「みょうじか。どうした?屯所は反対方向だぞ」

「…はい。実は坂田さん怪我をされて新八君の家で療養中らしいのでお見舞いです。」

「…みょうじ」

「はい?」

「いや、何でもねぇ」

「?」


実は山崎さんに全て聞いて知っていたりする。もしかしたら、坂田さんが攘夷浪士かもしれなくて土方さんがそれを疑っていることを。でも、私にはそんなこと関係ない。ただ、怪我をした坂田さんが心配だった。だって、坂田さんは坂田さんだから


「あんまり遅くなるなよ、」

「!はい」


でも、そんな事私が言わなくても土方さんは知っていると思う。沖田さんが言ってた“手練れが剣を交えると相手のことが嫌でも解かっちまうんでさァ”って、言ってたから。
だから、


(いいなぁ、男の人って)
(私も侍なろうかな?)



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