幸せの下






「おめでとう!今、2か月ね」

「うそ…」

「本当よ、ナルトの奴にちゃんと報告するのよ?なまえ」

「うん!ありがとうサクラ!!」

「あ!走っちゃだめよ!」


ここ最近何だか怠くって怠くって思うように身体が動かずどこか悪いのかと思って恐々とサクラに診てもらうため木の葉病院を訪れた。そこで、サクラに言われたのは“妊娠”の事実。ナルトと私の子どもがお腹にいてる。そのなんとも言えない現実に私は早くナルトに伝えなきゃ、その気持ちだけだった。



◇◇◇



「ナルト!!」

「…ナルトの奴なら今日から風の国に外交だ」


火影室を開けるとシカマルがいた。シカマルには私が木の葉に来てから一番にお世話になっていると言っても過言ではない。本当はナルトに一番に報告したかったけど、外交で3日いないし(シカマルに言われて思い出した)シカマルだし報告しておこう。


「あー。そうだったの忘れてたよ」

「忘れるほど重要なことだったのか?」

「そうそう!シカマル、私赤ちゃんできたの!」

「は?」

「だから、赤ちゃん!!!ナルトと私の子!!!」

「…そりゃ、おめでとーさん」

「……あんまり祝ってくれないのね」

「祝ってるさ、その…なんだ、身体大切にしろよ?」

「!…うん!」

「まぁ、なんだ…ナルトの奴が里に帰ったら真っ先にお前のとこに行くように伝えればいいか?」

「さっすがシカマル!大好き!!」


話しの分かるシカマルと別れ私は本屋に向かった。本屋さんの赤ちゃん関係の棚を見る。思った以上の本の量に私はニヤケる顔を隠せずに片っ端から見ていった。


(なんか、なまえ逞しくなってねーか?)



◇◇◇



「なまえ!!!」


ばんっ!
と、荒々しくドアを開けて帰ってきたナルト。かなり急いできた様子で珍しく息が荒れて肩で呼吸をしている。


「ナルトお帰りなさ「なんで!!!」!!」


ナルト……?!
私の言葉を遮り怒った様子のナルト。なんで?


「シカマルから聞いたってばよ!」

「あ、うん。帰ってきたら早く伝えたくて…」

「…俺ってば、なまえから聞きたかったってば…一番になまえから聞きたかったってばよ!」


暫し呆然。あー、嫉妬してくれているのかと理解する。私は微笑んでナルトの傍に行く。ナルトは俯きまるで怒られて拗ねた少年みたい。


「うん、ごめんね?」

「俺も…ごめ、でも…」

「どうしても早く伝えたかったの…」

「俺だって早くなまえに逢いたくって、」

「急いで来てくれたんだよね?…ありがとう」


よしよしと私よりも背の高いナルトの頭を撫でればナルトは落ち着いてくる。大きな赤ちゃんみたいだなと、少し苦笑する。ナルトは私の手を取り私を抱きしめる。壊れ物を扱うかのように優しく優しく。


「女の子だってば?」

「ふふ、まだ わかんないよ…でも、」


女の子ならなまえ似のかわいい―――...
男の子ならナルト似のかっこいい――...


「俺、」

「ん?」

「子ども愛せなかったらどーしよ」

「え、」

「だって、なまえを一番愛しているのに…」


せっかちなナルトが無性に可愛い。あーナルトと出逢って好きになってよかった。

新しい命が私のお腹に宿っている。ナルトと私の幸せが――


(大丈夫)
(なんで、)
(だって、家族だもん)













あとがき

桜とらさまのリクエストで、
“ナルトと主人公の未来と子どもができたとかの話が見たいです!”でした。
リクエストに添えていましたでしょうか?
なまえもナルトも本当の幸せな家族生活というものを知りません。そんな2人は戸惑いながらも同期や里のみんなに見守られながら家族として幸せに過ごしていたらいいなぁと思います。

小ネタで忙しいナルトに息子が怒るおはなしも考えていましたが、それはまた次の機会にでも(´ω`*)









|≫