祐希がそこにいる幸せがあってね。
ずっと一緒じゃないって理解してるからさらにそう感じるのかな。
背中にのしかかって雑誌を読んだり、横から俺のお菓子食べちゃったり、じゃれてきてジュース零したり。
あ、祐希に俺がのしかかるっていうのもよくあるよね。
祐希がゲームしてる時はさ、祐希の背中からもたれてゲーム見るの好きなんだ。知ってたかも知れないけれど。
あと何回、そんなことができるかな。
三年になってから結構そういうの考えるようになっちゃって、あと何回一緒にお風呂入れるかなとか、あと何回祐希を起こせるかなとか、あと何回喧嘩できるかとか。
喧嘩って、相手がいるからできるんだもんね。
来年の今頃は、祐希と喧嘩したくてもできないかも知れない。
だって、祐希がいないから。
一時の感情に任せて、一生を棒に振るなんてできない。
でも、祐希と一緒にいたいっていう想いは、絶対に一時的な軽いものじゃないってわかってるから、離れる覚悟ができるのかな。
まあ逆に、一生のものだってわかってるから、もし祐希に好きな人ができたらひとりで死ぬまで祐希への感情を引きずるはめになるのかなって考えちゃうのが、俺なんですけどね。
ほんと、嫌になる。
祐希は寂しい?俺と離れるの。
まあ寝てる人にこんなこと聞いても意味なんてないけどねー


さよならの練習


上から降り懸かる声に、俺は何も返せなかった。
泣かないでとも、俺も同じだよとも返せなかったのは、どう返したってきっと悠太は泣き止んでくれないから。

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