池袋の公園のベンチ、
1人で俺は座っていた。




「………はぁ、池袋に来たは良いが……
誰かに会うわけでも無いしなぁー
暇だなあー……」



空を見上げながらそんな事を呟く、
元々暇だったため……、いや実際は千景さんに会いたいななんて…、っていやいや、本当に暇ではあった。

てか、千景さんは埼玉の人なわけでっ、

とっ、とにかく
なんやかんやで池袋に来てみたが、

何しに来たんだろな、俺……





そんな事を思いながらふと視界を下げる。
とストローハットを被った見馴れた顔と数人の女の子達…




「………あ、え?千景…さん…?」

「よぉ、久しぶりだな、正臣」


そこにはさっきまで会いたいと思っていた千景さんがいた。

驚いたなんてもんじゃない、
さっき思っていた事を口に出していなくて良かったと思いなから、
一瞬色々と混乱した頭を落ち着かせる。


「ろっちー、その子誰?」


女の子達の1人が俺を見ながら千景に聞く
と、にっこりと女の子なら(いや男でも)ドキッとしてしまうような笑顔で俺の事を紹介してくれる
もう反則だろその笑顔。


「ああ、こいつは紀田正臣って言って、俺の友達。
すっげーいい奴だからっ」



「…どうもっ、紀田正臣ですっ♪」

無駄に明るめに笑顔で女の子達に挨拶をする。
まぁ、この際いくら可愛い女の子達だってはっきり言って邪魔だと思う。
あっ、ヤベ重症だ。




「……そうだ、正臣お前今暇そうだったけど、暇なら一緒に来るか?」

また反則スマイルで(しかも次は俺に)そんな事を言ってくるとか絶対着いてくし。
てかそんな笑顔でそんな事を言われたらマジでヤバいから、俺を殺す気かコノヤロウ。
あ"あ、カッコいいなクソッ!!

「あー、それいい!」

「私も賛成ー」

女の子達が千景さんの提案に同意してくれた。
これで女の子が同意しなかったらあっさり『ハニー達が嫌みたいだから』とか何とか言ってどっか行ったんだろうな。
女の子達ナイス!

「わーっ、良いんすか?
やったーっ♪、丁度今、無茶苦茶 暇だったんですよーっ。」

こんなチャンスは滅多に無い!

俺は極力嬉しいオーラを出しながらとても嬉しそうに笑ってみせる。

「ん、じゃあ、何処行こうか?」

ぐはっ!、またもや反則スマイルを……
千景さんのこのスマイルは攻撃力が凄まじいんだよな、俺のHPの減るスピードが超速い。
今日1日持つかな……いや、持たさないとっ。

なんて、俺が意味不明の考えをしてると女の子の1人がはいはーいと手を上げる。

「私ゲーセンがいい」

「ならゲーセン行こうか、正臣もゲーセンで良いよな?」

「もちろんっすよ!」

態々俺にまで聞いてくれなくて良いのに、
何かマジで本気にしちゃう俺って馬鹿だな。

まあ、ともあれ俺達はゲーセンに行く事にした。





――――――――――――――――――






「ろっちー、このヌイグルミありがとう」

「んー、良いって俺は女の子達の喜ぶ姿が見れれば良いから。」


そんなセリフ言う人って本当に居たんだとか失礼な事を思いながら、俺はゲーセンを出ていく千景さん達に着いていく。


「よぉ、テメェTo羅丸の六条千景だな?
埼玉の田舎者が俺のシマ荒らしてんなよ…?」


急に千景さん達の前に出てきたのは数人の不良、
その中の1人がそう言ったけど千景さんも俺も全く聞く気が無かった。
千景さんなんかは女の子達に次どこいこうかなんて聞いている。

と、それに気づいた話していた不良



「……テメェら…っ!!」

さっきまでは余裕の表情を浮かべていたが全く聞かれていなかった事が相当頭にきたらしい、
さっきとは打って変わって眉間にシワを寄せ今にも殴りかかりそうな勢いだったがまた何故か気を戻して余裕の表情を浮かべる。

「おい、六条千景、テメェそんなに女連れて、うらやましいなぁ?
何人か俺らに分けてくんねえ?」

クククと喉でそいつが笑いながらそう言うとそれが合図だったように路地裏やら色んな所からぞろぞろと不良の仲間であろう奴等がざっと2、30人ほど出てきた。




「「………ぅわ…」」




めんどいな、なんて思ったのもつかの間、不良の1人が女の子の1人を力ずくで引っ張るとその女の子に持っていたナイフを向ける。――――

事は出来なかった。

何故なら不良達の眼中には無かったであろう俺が素早く
女の子を引っ張った不良に近づき不良のこめかみめがけて思いっきり蹴りを入れたから。
俺だって弱い訳じゃないんだ。

不良はその場に膝をつくとそのまま倒れる。

「――女の子に手をあげるのは――
良くないんじゃないすか、お兄サンタチ…?」

にっこりと無邪気な笑顔を不良達に向ける、でももちろん女の子が(千景さんの次に)大好きな俺だ。
結構イラついた。
だからあからさまに不良を睨んだ。

その場にいた全員が何が起きたのか分からないと言った様に無言で立たずむ。






「………驚いた…、正臣って強いのな。」

少しの間沈黙の続いた空気を破ったのは千景さんのそんな言葉だった。

「はは、俺だって伊達にトップやってませんでしたよ、」

「えっ、お前どっかのトップだったの!?
どこ!?」

「どこって……黄巾賊?」

「「黄巾賊!?」」

その場にいたほとんどの者が驚きの混じった声を出す。
その中には不良達は勿論千景や女の子達までもがいた。
つまり全員。
普通に酷い気がする……



「……え、そんな驚く??
なんかショックかも」

そんな全員の反応を見た俺は苦笑しながら少し悲しくなる。


「……いやさ、だって黄巾賊なんて埼玉でも結構有名で……って、人が話てんのに…っ」



「……埼玉でもっすか?それは凄い。」


我に帰った数人の不良達が千景さんと俺に殴りかかろうとするがそれはかわして代わりに腹やら顔やらに蹴りを入れていく。

うっ…などと小さなうめき声をあげて倒れていく不良。

「正臣そんなほっせー体なのに強いな…」

「千景さんには負けますけどね、それに千景さんも人の事言えないでしょ。細い。」

「正臣ほどではないぞ、正臣ほどでは。」

会話をしながら不良を倒していく、
そんな俺らに数名は逃げ、
数名はまた女の子を人質にしようとするがそんな素振りを見せれば即やる。

数十分後、不良は逃げた者を抜いて全滅。

「凄い……」

女の子の1人がコンクリートの上に倒れているチンピラ達を見て呟いた。

「ホント!凄いねっ正臣くん。」
「正臣くんかっこよかったよ!」

続いて口を開く女の子達は口々に「俺」の事を言う。
何でだろ?
千景さんの方が数百倍カッコ良かったのに。







「…なぁ、ハニー達俺は…?」

痺れを切らして自ら聞く千景さん、と女の子達はつまらなそうに

「ろっちーは当たり前だもん」

「ろっちーは何時もだし」

「えぇーっ」

口々に意見をいう女の子達、
結構酷い事を言うな…とか思ってたら
絶句していた千景さんに少し睨まれた。
とはぁーと、溜め息をはく。
俺、悪く無いよな?

「ろっちー、ろっちーもかっこ良かったよ」

女の子の1人がそんな千景さんを見てにっこりと笑う。

「っありがとうノンっ」

そんな一言で元気になる千景さん。
俺だって千景さんの事カッコいいって思ってるのに……
女の子だからってあんなに喜んでもらえるなんて…、ずるいと思ってしまう俺は乙女なのだろうか。



*総長と将軍



(あの…千景さん……)

(可愛い女の子にちょぉーっとチヤホヤされただけで調子に乗るなよ!)

(あっ、いや……(俺が好きなのは千景さんなんだけどな…))



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私の文章力のせいで駄作になってしまいましたが、


正→千は絶対言いと思います。

このナンパコンビは私の中で最高なのです。

確かに原作では関わっていない二人ですが……
女の子好きとか…
なんかまぁ似てるじゃないですか、

出来たら続き書きたいな………




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