『好き』なんて気持ち(音トキ)



「トーキヤっ」

ゴッ

突然の背後からの衝撃。と少し遅れて頭部の鈍い痛み。

どうやら頭を打ったようです。




「ごめんトキヤ!大丈夫?」

先ほど何処かの誰かさんが突然後から抱き付いたせいで前のめりになりそして打ってしまった額はまだズキズキと痛む。


「……大丈夫です。」

「本当に?おでこ赤くなってるけど…」

前髪をてで押さえながら心配そうに私を見てくる音也の手を軽く払いのけて前髪を整えた。

「ええ、気にしないで下さい。」

「そ、そう?」

「しつこいです。」

「うっ…、」

「それで、何か用ですか?」

「あ!うん、あの…」

そう音也が言い始めた時チャイムが鳴った。

「……あー、やっぱいいやー」

じゃあまたねー!

手を振りながら走って行く音也に相変わらず世話しない方ですねなんて思いながら私も教室に戻ることにした。



教室について数分後、担任がやって来て授業が始まる。

………ズキ

先程まで気にならなかったのに急に何故か額に痛みを感じる。

音也が赤くなってると言っていたのを思いだしそっと額に手をやるとやはり痛む。
予想以上に思いっきりぶつけていたらしい、
部屋に氷は置いていただろうか?

「ん?何だ一ノ瀬頭でも痛いのか?」

ずっと額に手を置いていると日向先生にそう聞かれた。

「いえ…大丈夫です。」

痛いといっても授業を受けれないという訳でも無い。

後で少し冷やせば痛みも退くでしょう。




「………」

授業も終わり、寮に帰ると冷蔵庫を開ける。

残念ながら氷は無い様だった。
仕方がないので水でタオルを濡らして額に当てる。

秋といってもまだ暑い今の気候、ひんやりとしたタオルは気持ちが良かった。

数十分後、タオルが温くなってきたので洗面器に行ってついでに額を見る。

どうやら赤みは消えた様で痛みも退いていた。

「もうタオルは必要無いですね…」

ぱしゃぱしゃとタオルを水につけてぎゅっと絞る。

「………」

額にもう一度タオルを当てる。
ひんやりとしてやはり気持ち良い。

痛みも赤みも退きましたが、もう少しだけタオルを持つ事にしましょう。

部屋に戻るとちょうど音也が帰って来たらしくドアの近くに居ました。

「お帰りなさい」

「ただいまトキヤ!」

「遅かったですね。練習ですか?」

「うん!………あ、」

ぱっと何時もの無邪気な笑顔でこちらを向いたかと思うと突然悲しそうな顔をする。

というか、人の顔を見て悲しそうな顔をしないで下さい。
と思っていると音也が近付いてきました。

「ごめんね」

ぎゅっと少し強めに両肩を掴まれると何故か謝られました。

「……は?」

訳がわかりません、そう言おうと口を開こうとした時、それより先に音也の口が開いた。

「おでこ、やっぱり大丈夫じゃなかったんだ、まだ痛い?やっぱ痛いよね、冷してるんだし……腫れたりはしてない?」

「え、あ…はい…あの…」

「ホント駄目だよね俺、トキヤに…好きな人に痛い思いさせるなんて…」

「いえ、私は大丈夫…で……は?」

音也の話にに流されて一瞬見逃しかけましたが、今……

「あ、あの、音也? 今……」

「え?………あっ」

音也の顔が段々赤くなっていく。

「あー、ごめん、トキヤ隠せなかった…」



*『好き』なんて気持ち



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初うたプリの小説です。
長くなりすぎました。
キャラが掴めません。
話が…………。
あぅううう…

ですがあれですね、この二人はマジで可愛いです。
もう音トキ可愛い過ぎて私の変態度が増す←←←(´∀`)






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