8、見つめる(0204)

「翼、何時まで続ける気だ。」

そう言って翼の顔をぐいっと押した。

「ぬゎ、ぬいぬい押すなんて酷いのだ」

押した手を掴むと
翼は不満げに一樹を見つめる。

「………。」

数分経ってもまだ見つめ続ける翼にまたかと一樹は呆れた。

さっきから何故か翼に見つめ続けられている。

さっきの様に何度か止めてみたものの、結局また見つめられる
の繰り返しでいくら何でもそろそろ嫌気が指してくる。

だからと言って一樹から目線を外すと悲しそうな顔をされるためどうにも出来ない。

「ぬいぬいの目は綺麗だな」

どうしたものかと考えていると翼がポツリと呟いた。

翼の目だって綺麗だろ、
そう言おうとした一樹の目尻に翼の手が触れた。

突然の事にびくりとして反射的に目を閉じたものの、片目でそのまま翼を見つめた。

「取ってずっと持っていたい…」

ふと小さな声でそう言った翼に驚いて目を見開く。
冗談混じりに感じないそれにゾワリと嫌な汗が背中を通った。

そんな一樹を見てニコリと無邪気に笑と

「でも、やっぱり目だけじゃなくてぬいぬいの全部が良いな」

そう言って固まっている一樹の唇にそっとキスを落とした。




*見つめる



翼にちょっと怖い事を言ってほしかった←




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