1、焦がれる(0704)

「一樹」

「なんだ?」

何気無く呼んだそれに彼が振り向く。

パチリと合った翠色の目に嬉しくなって見詰めていると、怪訝そうな顔をした。

「何だよ?」

見詰めるだけで何も言わない俺に痺れを切らした様にそう言うとぺちりと軽くでこを叩かれた。

「読んでみただけだから何もないよ」

正直にそう言えば溜め息をつかれた。

「呼ばれるの嫌?」

「そうじゃないが…」

ふと、黙ると此方を見てニヤリと笑うと

「そんなに俺の事が好きなのか?」

なんて、聞いてきた。

だから俺はにっこり笑って

「もちろん、大好きだよ」

って言ったら一樹の顔が真っ赤になって、

恥ずかしいのか目を反らす。

目が反らされた事は寂しかったけど、

でも自分から言ったのに照れてそんな反応する一樹が可愛くて、更に愛しく思う。

一樹が起こす反応の一つ一つが愛しくて仕方無い。

「一樹好きだよ、大好き」




*焦がれる






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