君の手で殺されたい(0704)
※首を絞めています。
※暗い。
※相手を殺してしまいそうになるほど好きで殺されたくなるほど好き。
※一樹が以上に歪んだ愛をお持ちになっている。
※いつもに増してキャラ崩壊。




首に回した手に力を入れれば一樹は苦しそうに眉を歪ませた。

けれど、抵抗は一切しない。

徐々に強くなる力に

かはっ。

と一樹が咳をした。

それでも力を入れ続ける。


既に酸欠で朦朧とする意識の中で、錫也に向けて一樹は優しく笑った。


殺されかけているのに、


錫也の胸は心臓を握り潰された様にズキズキと痛んだ。

苦しくて仕方ない。

こんな自分でも受け止めてくれる一樹が愛しくて、同時に行動を起こしてしまった己に嫌悪感を感じる。





ポタリと落ちてきた水滴に一樹が錫也を見ると泣いていた。


「一樹は…、優しすぎるんだよ……」

いつの間にか首から離れていた手を一樹の背中に回すと強く抱き締める。

「……ごめん、ごめん…ごめん一樹、」

涙声で一樹に謝る錫也に、
一樹は内心あやまなければいけないのは俺の方だ、と呟く。

だって錫也になら殺されていいと、そう思って抵抗しなかったのは紛れもなく一樹自身であり、
こうして錫也を追い詰めているのも一樹なのだから。




「錫也…好きだ…」


ポツリと呟いた一樹の言葉に抱き締める力が強くなった。




*君の手で殺されたい






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