どうやら恋をしてしまったみたい(03→04)

「不知火先輩!」

「お、七海」

廊下を歩いていたら偶然先輩の姿が見えて手を振ると、それに気付いて笑って手を振り替えしてくれた。

それが嬉しくって走って先輩の所まで行くと、

「そんなに慌てなくても何処にも行かないぞ」

って少し可笑しそうに笑って頭を撫でられた。

他の奴なら絶対嫌なはずだけど不思議と不知火先輩に撫でられると嬉しくなる。
でも恥ずかしくなって

「俺ガキじゃないです」

って小声で言ったら"悪いな"って言って手を離してくれた。

自分から言っといてなんだけど
ちょっと名残惜しくて目線だけで追うと、不知火先輩と
パチリと目があった。

その瞬間、ドクンと胸がなる。

目が離せない。

今までに無い感覚に混乱して固まっているとチャイムが鳴った。

それに慌てて教室に向かった不知火先輩が振ってくれた手に難とか反応して振り替えした俺に"授業遅れんなよ!"と言い残していった。

不知火先輩が言ってくれたことは極力守りたかったが、
どうにもこの場から動けそうにない。

今頃になって五月蝿くなる胸の音も気にならない程に顔が熱くなった。




*どうやら恋をしてしまったみたい






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