5日目 上



「………」

「………」

今日も今日で赤司と鉢合わせた。

もう最近は何となく会うんじゃないかな、と思ってしまってる。

でもそう思ってしまう位会っちゃってるんだからしょうがないと思う。

それより今だ。

なにこれ何でずっと赤司黙ってこっち見てるの?

微動だにしないんだけどこれ俺どうすれば良いの?

え、どうすれば良いのマジで?

何か怖いんですけど

もう何か話して下さい。お願いします。

「君は」

俺の願いが叶ったのかやっと赤司が話始めて内心ホッとする。

この前、というか今気づいたけどどうやら俺は赤司に無言でいられるのが1番怖いらしい。

「君は僕にストーカーでもしてるのか?」

「………は?」

赤司の突飛な発言に一瞬何を言われているか分からなかった。

て言うかあれなの?

もしかしてさっきまでの赤司の無言はこれ考えてて無言だったの?

「違うのか?」

「ちっ、違うよっ!俺赤司くんにストーカーなんてしてないよ!」

こてん、と首を傾げる。

ちょっ…赤司可愛いとか思った俺を今全力で殴りたい。

大体男相手に可愛いって何だ。

幾ら赤司が綺麗な顔してるとはいえ相手は自分より高い男に可愛いは無いだろ。

ちょっと赤司の突飛な発言に頭が混乱しちゃったんだなそうだな、そうに違いない!

「おい、大丈夫か?
顔が赤くなっている。それに心拍数も……」

「だだ大丈夫ですっ」

何だかよく分からないけど何かやばい。俺が。

そう本能的に思った俺はちょっと失礼かもしれないけど全力疾走で赤司から逃げた。




「おえ…っ」

部活でだってそう無いくらいの距離を全力疾走したお陰で吐きそうになった。

めちゃくちゃ気持ち悪い。

まあ、でも赤司からは逃げれたっぽい。
………次会ったらどうしよう。

でも今さら考えたって後の祭りだし、もう次会ったら土下座するしかないかな。

そうこの件はひとまず置いておく事にした。


それよりはこの心拍数の原因を探すべきか、

自分の胸元に手を置いてみる。

未だにドキドキと忙しなく動くこれは多分全力疾走のせいじゃない。
大体走る前からだったし。赤司に指摘されたし。

とにかくこのドキドキの原因を突き止めないと赤司に土下座どころかまた全力疾走で逃げる気がする。

………なんて、

突き止めるもなにも
実は全力疾走中にちょっと冷静になったお陰で何となく何が原因か分かってた。

残念ながら。

ただ、分かったけど整理しきれないというか、
信じられないというか、

ここ数日間、何故か毎日赤司と鉢合わせる日々が続いて
ほぼ毎日話して、
何処にそんな要素があったのかは不明だけど

俺は赤司の事がどうやら恋愛的な意味で好きっぽい。

というかそうじゃなきゃ男相手に可愛いなんて思わないよな…普通。








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