「………。」
ガランとした部屋にジャーファルは頭を抱える。
頭痛がする。
シンドバッドがまた逃げだした。
「シン!何処ですか!」
王宮中を走り回りながら叫ぶ。
途中であったマスルールやアリババ達にも探すのを手伝って貰ってる。
見つかるのは時間の問題だろう。
そう思い返し一旦自分の仕事に戻る事にした。
シンドバッドの机に書類の山を追加しているとふとノックも無しにドアが開く。
探してくれと言ってからまだ数十分しかたっていなかったがどうやらマスルールがシンを見つけた様で、担いだまま入ってくる。
「シンを見つけたんですね…ありがとうございます、マスルール。で、シンは何処に行ってたんです?」
「…えーと……」
ニコニコとしながらシンドバッドにそう問えば言いにくそうにシンドバッドは目を泳がせる。
そんなシンドバッドを見てマスルールが
「酒場っス」
一言。
ジャーファルも大体予想はついていた答えが返ってきた。
「ちょっ、マスルール!?」
「ほう、酒場ですか…」
「わわっ、待て、ジャーファル!」
にっこり笑って近づけば焦りだすシンドバッドにどうやらこの前の言った事は覚えている様だった。
ならば話は早い。
「すみませんがマスルール…」
「…はぁ、分かりました」
申し訳なさそうにマスルールに目をやると意図が解ったらしく部屋を出ていくマスルール。
「あっ、マスルール!」
そう言ってドアに手を伸ばすシンドバッド。
その手を素早く糸で縛った。
「っジャーファル!?」
両手の自由を奪ってベッドに押し倒せば本格的に焦りだしたようで逃げようと動くシンドバッド
「…シン、」
だがジャーファルが名前を呼ぶとピタリと動きを停めた。
「この前…言いましたよね?」
シンドバッドの耳元に近づけばわざと息がかかるように口を開く。
「次また、私の許可なく仕事を放棄し、酒を飲むような事をしたら……有無を言わさず襲います。」
と。
そう囁かれた瞬間ぞわりとした寒気の様なものがシンドバッドの背筋をかけ上がる。
「それは……っ!」
不意にシンドバッドの衣服の下に潜り込んで肌に触れる手にビクリと体を震わせる。
「シン、何故私の言うことを聞いてくれないのです?」
悲しくてしょうがないという顔でそう言えば罪悪感が湧いたのかシンドバッドは気まずそうな顔をする。
「…すまない。」
「…なら飲まないで下さい。」
「……うっ、ぅん…」
「今度言い付けを破った場合嫌でもアル中が治る様に調整して差上げます。ね、王様?」
にっこり、今まで見たことが無いほど至極満面な笑みを称えながら言ってくる部下にシンドバッドはこくこくと首を縦に振るしかなかった。
*言い付けは守りましょう!
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…うーん、ジャシンと言って良いのか悪いのか……
よくわからないですがシンは部下に弱そうだなぁ、からのコレ。
ジャシンでもシンジャでもいけそうな気もする…(-.-;)
……シン様好きですよ!