「また髪伸ばすの?」

短い私の髪を撫でたがら残夏が問う

「まだ決めていないな」

そう言えば

「ふぅん、」

と興味有るのか無いのか判断しにくい返事を返す

「何故そんなことを聞くのだ?」

「ん〜?それは……好き、だから…かな?」

うっすら目を開けて微笑むその姿に、その言葉に、ぐずりと胸がざわつく。

ああ、なんてもどかしい。

「綺麗だから。」

そう言い残し離れる手を無意識に掴んだ、

「私も、好きだ。」

一瞬揺らいだ瞳を見詰める。

「…その…ボクの髪が?」

「ああ、」

私の言葉に安心した様な悲しそうな眼をする。

だから、言ってやる。

「貴様の髪も眼も鼻も口も声も手も…」

思い立った部分をつらつらと並べていく、
そして最後。

結果、結論。

「貴様の全てが好きだ…愛している残夏。」

驚いた様に目を見開く残夏の髪をすくうとそれに口付けを落とす。

「っか、げたん!?」

真っ赤に染まった頬に手をやれば残夏の熱が手に伝わり温かくなる。

「残夏…残夏はどうなのだ?」

そう言えば更に熱を帯びる頬。

「……す、き…」

消え入りそうな声、だが確かに聞こえたその言葉に鼓動が早くなるのが分かる。

今更体の熱が上がった気がした。




*髪も全て



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蜻残です。
誰がなんと言おうがこれは蜻残なんです。





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