そうだこの目玉をえぐり出してしまおうか。
「お前のざくろの瞳が好きだ」
ああやはりそうしてしまおうか。かさついたくちびるがまぶたをなぞるたびに死にたい気分になる。いっそこの目玉ごと死んでしまおうか。お前はいったいなんと言って泣くのだろうね。それを見て僕はいったいなんと言うのだろうね。やはりお前は僕の目玉しか愛していなかったのか、だとか。ひすてりっくにさらされた少女のように泣きわめいてやろうか。そんなみじめな妄想にかられて、はじめて僕はこの男を愛しているのだと気が付いた。

柘榴と心中
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