汚れたキャンパスに青い絵の具を塗ったくったような空はどこまでも冷たかった。飛翔する。
「貴方が自分を神様だと言うのなら、きっと貴方は神様なんだろうね」
そう言って笑った彼の目はどこまでも澄んでいたのだ。疑いを知らぬ幼子の心はどこまでも無邪気でまっさらだった。神様神様神様と頭の中でエコーエコーエコー。洗脳されたのは彼ではなく僕だった。僕はいつまでも彼の神様でなければいけない(という、脅迫観念)。神様は空を飛べますか。ええ勿論ですだって空も飛べないだなんて、そんなの神様とは呼べないでしょう。彼だけに見えていた翼はもはや誰にも見えなくなってしまったが、そんなのが一体全体なぜにして重要なのだろう。神様は金色の光を纏って聖なる青に溶けていくよ。しっかりとその目に焼き付けておくれかわいいかわいい子羊くん。舞い散る羽根はさぞや美しかったろうに、彼は悲しい声で言ったのだ。
「けれど貴方が神様であろうがなかろうが、僕には関係ないことだ」
そのあと汚れた灰色の街から飛び立っていった神様が、さてはてどうなってしまったのか、僕にはどうもわからない。何故ならその日神様は、汚れたビルのてっぺんのぎざぎざ痛いフェンスの外に、僕を置き去りにしてしまったのだ。
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