憂
羽月さま
月の無い夜が泣いている
聴こえない音を待ち続けて
白く濁る吐息
ぜんぶいらないって投げ出した
どこか誰も知らない場所へ
立ち尽くす、静寂
わたしのこころを、さがしています。
取り残された思い出が嘆く
真夜中は憂いの庭
幸せの定義を教えて
9子さま
僕が嘲笑った惨めな人間は、鏡に映った自分だった
クッキーのカスを舐め取る、苦い、苦しい、恋がしたい、恋をする、また振り出しに戻る
空腹の苛立ちは愛情の欠如に似ている
私が好きなもの、笑えない冗談、背筋が凍る愛の歌、登る度崩れ落ちる階段、バカ正直に生きるあなた
心の扉を開く鍵が、生まれた時から見つからない
涙を零す度、腐った花が蘇る
生まれてこなければよかった、それが彼女の遺言だった
ろくでもない人生に花束を
今日も元気に仮面を被って生きてます
一歩踏み出した程度じゃ見える景色は変わらない、人生ってそんなもの
空っぽな箱に愛は何個詰められるだろうかなんて、考えるだけ無駄なこと
最中さま
涙の訳を教えて
さみしいを抱きしめた
僕には君しかいないというのに
君に優を僕に憂を
泣き虫な恋模様
さようならを口ずさむ
無いの無いの、出口が無いの
君は涙の味がする
連れ出しておくれ
あなたがいない未来なんて
16さま
僕が望んだのは、
溺死するブルー
思考迷路転回
バッドエンドは覆らない
胎児のようにうずくまる
透明な闇に閉ざされた
ねぇ、待って、そんなの
逆回り時計があるのなら
こぽこぽと溢れる哀
もう狂っちゃいましょう
藤野さま
押さえつけても指の間からぽろぽろと、
絡まってしまった糸を引きちぎる
傘を投げ出して雨の中の猫になる
憂鬱に見せかけて
この傷によく効く薬はあなたの言葉
今時流行りのアンニョイフェイス
閉じた瞳から滲む
世界の真ん中で呼吸困難
私はいつまでも貴方の横顔しか見られない
痛いね、悲しいね、（そう言い聞かせて、）
キョーカさま
空が私の気持ちを代弁する
喪ったものを数えてしまった
重力増幅 / 防火設備に不備があった模様
わたし｢ ｣
心の傷に絆創膏
錆びた鍵はどこかに隠したよ
鏡の中に哀しみだけ移してやりたい！
アルカイック・スマイルの逆襲
はっきりことばにしたくありません
小島透さま
憂愁の美を飾る
涙色に染まった君の袖口
貴方を想う胸の内を表すならば
あくまでも可能性の話です
成功率は思慮の外へ追いやって
頭痛のタネは君なのですが……
夜長の物思いに沈み
出口の無い思考にたゆたう
卯多
ロマンスとブルース
嗚呼、君は心で泣く人なんだね
雨の日はあなたを思い出す
愛することとはその人に殺されること
涙が引き金を鈍らせる
ラプソディーは甘く濡れて、
あの日、わたしはあなたに××された
火薬が濡れてしまったらそれはもう使えないでしょう？
それはエゴで、独りよがりの愛だった