交
羽月さま
僕に紛れ込んだ君
蜜のように甘く広がる
いつか交わした約束
わたしを離さないで
繋いだところから
注いだのは空の色
染まる、染まる、染まる
じわじわと浸食する熱
混濁する時代の中で
重ねた掌は道標
ます。さま
遺伝子の契りを交そうか
行き交う放物線上(通り過ぎた日の夢)
いつか交わる道の果て(描く未来の偶像)
半径六千三百キロメートルの球体の表面で僕と君が交差する確率を求めなさい。(確率論は破綻)
交通整理人(あらゆる分岐に居座る)
心臓羽交い締め(重なる：視線×運命？)
僕らの献身は等価交換に因る
躱す言葉を互いに交わす(交わる視線を互いに躱す)
交ざりあう僕らの可能性
鞠屋てまりさま
どうせ僕は劣等生
授業の時間は君を見ていた
ねぇ、一緒にサボらない？
休み時間が終わらないうちに
皆出来るけれど、君は飛び抜けて優秀だから
ノートじゃなくて僕を見てください
身体任せな感情をぶつけて
ごめんなさい、頭が悪いので制御出来ません
制服の中に隠した本性
どうせ、僕だけ、劣等生
さきはさま
そこが境目
混ざることはないけれど
薄皮を隔てるという享楽
この手をとってくれないか
ともに仰ぎ個々に笑おう
ヨシキリさま
世界のその終わりまで君と
乖離する心
きみが幾ら咽び泣こうとも、僕はきみの手を離さないのだから
五臓六腑に染みゆく
染まる遺伝子
あなたの記憶に這い交じる
断ち切る赤い糸（きみに繋がっていないのなら）
原子が惹き合うように
マーヴェリックの愛した人
僕の心臓を握る君
グラヴィティで繋げ
センダさま
応えて、答えて、堪えて、
共鳴する呼吸
ケダモノでごめんね
背中合わせの天体観測
寂しいフリでからめとる
はぐれ者なのはお互いさまでした
不覚の愛を知れば遺憾なきにしもあらず
言葉も交わさず、目と目で、一瞬、
抱きしめるから、じっとしてね
交差点、すれちがう、5秒前
夕顔さま
交わったのは唇だけ
心を許してしまったのは愚かな君
結い上げた髪に紅の簪
視線さえも交わすことを許さなかった
金色のブレスレットの意味
それだけが私の拠り所だったの
運命のようだと嗤った
花弁が散る中で交錯したのは、
好きになった方が負け
両想いって奇跡だと思わない？
血は交わることが出来ないなんて、
この世で無二の人
彼女が笑うとの周りに花が散る
交わした言葉の意味を初めて知った
蝶のように自由になりたかった
キョーカさま
判別不能なほど溶かして
めちゃくちゃに引いた線さえ取り込む球体
折れ曲がる躯を包むは同じ体温
転がすダイスを選ばせて
反比例するより平行線のほうがまし？
視界がぐねぐね歪んでますけど、大丈夫ですか
摩擦が生んだ衝動に
スラッシュ・バッテン・サイレンス
ああ、ああ言葉に出来ないほど沸き起こる感情が全てを物語る
出逢いは化学反応だってよく言うでしょ？
イコさま
偶然の偶然
絡まる赤い糸
定期、落としましたよ
7:52発の快速電車
アイコンタクトは突然に
目印は３号車の２番目のドア
やたらと君に会うのは勘違いじゃないと思いたい
平行線は交わらない
すれ違いラバーズ
二人で同じ道を歩こう
卯多
絡み合うことのないもの
交錯したのは、視線か、想いか、
スーパー異分子
どうやら恋をしたらしい。
何にも馴染まない、誰とも交わらない、
たったひとつのひかり
その小指には、なにが託されていたのだろう
君だけが輝いて見えたんだ