人恋しいような気持ちで眠りにつくと、必ず決まって見る夢がある。


どこにいるのか分からないまま、1人ぼっち。
けれど、すぐ近くに、よく知った姿が浮かんでいる。
青。それから、真ん丸な赤い瞳。
馴染んだあの声で、自分の名前を呼んでくれるんだ。


「ヤマト」


あぁ、ガブモンがいる。
こんなにすぐ近くに。


「ヤマト」


こちらに手を伸ばす相棒を見て、胸がきゅうと苦しくなる。
その手を掴みたくて、自分もぐっと腕を伸ばすのだ。
あと少し。あと少し。
指先まで力を込めて、精一杯に、伸ばして。


「ガブモン!」




触れたか。触れないか。




目を開けば、見知った天井。
1人きりで眠っていたことに気づくのだ。


「あぁ…」


何度目だろう。
彼の夢を見てしまうのは。
触れられずに、目覚めてしまうのは。


「ガブモン、」


触れたいのに触れられず。
寂しい気持ちが膨らんでいく。
何も掴めなかった手を見つめてから、目をぎゅっと閉じた。
もう一度眠ったら、夢の続きが見られるかもしれないから。



(お前に会いたいよ)



***
会えないって辛い…

2015.1.29
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -