お互いが、同じくらいに泣き虫なのはよく知っている。


「泣きすぎだよぉ、タケル」
「パタモンだって、泣いてるじゃないかぁ」


パートナーの、涙でくしゃくしゃになった顔。
きっと自分も同じ顔をしているんだろうな。
そう思ったら、なんだかおかしくなってしまって。


「あは、パタモン、変な顔」


小さく笑いを零しながら、正直な言葉を1つ。
すると、パタモンはむすりと頬を膨らませた。気に入らなかったらしい。


「タケルだって、変な顔だよ!」


ぽんと腕の中に飛び込んできたかと思うと、短い手を懸命に伸ばして、涙で濡れた頬を引っ張ってくる。


「何するんだよ」
「お返し!」
「じゃあ僕も、お返しだよ!」


こちらも負けじと、オレンジ色の頬を引っ張った。
もちろん痛くないように。
びよんと伸びた顔はなんだかちょっぴり間抜けに見えて、思わず吹き出した。


「ふふっ」
「あははっ」


きっと互いに変な顔。
笑っているうちに、なんだか元気が出てきたみたい。



(涙なんてとまっちゃったよ)



***

パタモンのちっちゃい手が好きです。
2015.1.29
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