頬に手をやり、目と目があって。
地球によく似た深すぎる蒼に、思わず息を呑んでいた。


「お前さんの目は、どうなってんのかねェ」


問いの意図が分からず、ただ瞳を瞬かせて、何も言わない。


(不思議な色彩)


まるで深海のような。
それでいて、透き通った青空のような。
深い、澄んだ、蒼。

海と空が混ざった水平線は、こんな色をしているのか。


「おかしい?」
「いんやァ…興味深いのさ」


この目に、アンチバリアは効かない。
もしかすると、見えないものまで映すことができるのかもしれない。
本人は何も言わないけれど、そうだとしても不思議じゃなかった。


(どういう仕組みか、調べつくしてみたい気もするけれど)


知り尽くしてしまうのも、存外つまらないかもしれない。
秘めたままの蒼は、それはそれで美しいから。


「調べてみたい?」
「遠慮しとく」


悪戯に細められた瞳は、怪しげで神秘的。
全てを暴いてしまうよりも、秘密を抱いている方がそれらしい。


(綺麗だ)


言葉にしないまま、吸い込まれそうな蒼に、ただ魅入っていた。





***

サブローくんの目が好きです。

2015.3.23
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