「ねぇクルル、今日のラジオでね、」


つらつらと、何でもないようなことを話してみる。
パソコンを叩く手は止まらなくとも、クルルが耳を傾けてくれていることは、承知の上。
ククク、といつもの笑いが零れた。


「芸能人も大変だねェ。クックック」
「そうでもないよ…あ、」


今の。


「ん?」
「あぁ、えっと…」


クルルが普段笑うときは、クク、と喉を鳴らすように笑う。
あとは、嫌味っぽく口角を上げたりなんかして。
陰険だとか、陰湿だとか、そんな彼らしい笑い方。
だけど。


「クルルの笑い方、好きだなぁ、って」


自然な会話の中で、しかも2人で話しているときだけ。
時々、目元が優しくなる。
どこか、いつもよりも柔らかい笑い方になる。

それがすごく、好きだと思うのだ。


「物好きなこった」


クックックといつもの笑いを響かせながら、呆れるように、くしゃくしゃと灰色の髪を撫でた。




***

サブローくんを見てるとき、クルルも自然とゆるりと笑えたりとか。
2014.9.1
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -