思えば、落ち込んだとき、下を向く癖があった。

元々、器用な方ではないので、失敗なんて当たり前。
少しネガティブなところがあるのも、自覚していた。
どうしようもない、嫌いな自分。
だけど。


「どうしたんだよ、丈!」


今は、俯くと、足元にはゴマモンがいて。
ぺしぺしと止まったままの足を叩いて、元気に笑うんだ。


「なーにへこたれてるんだか」


まったく、これだから丈ってやつは。
なんて言ってるゴマモンは、少しも嫌な顔なんてしない。
呆れたようにして、それでも、己のことを信じてくれている。


「心配いらないさ。だって、オイラがついてるからね!」


目と目があう。
それだけで、萎んでいた心が風船みたいに、ふうわり、膨らんでいくんだ。


「そうだね、ゴマモン」
「そうさ」


何度失敗したって、俯く先には君がいる。
それだけで、いつでも元気がもらえるから。


(僕は、大丈夫)


止まっていた足は、自然と前に向かうんだ。




***

丈先輩、すごく成長したなぁって思うのです。

2014.12.4
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