名は体を表す、と言うけれど。




「光子郎はん、どないしはったん」


モチモンの体をひょいと持ち上げる。
テントモンの体は堅いのに対して、モチモンの時は驚くほどに柔らかい。
なるほど、モチ、という名前なだけはある。


「わわ、くすぐったいでっせー!」
「柔らかいね、モチモン」


腕にすっぽり納まるパートナーの体を、つついてみる。
ピンク色の小さな体は、ふにふにとしていてなんだか面白い。
ばたばたと、モチモンは短い手を振り回した。


「光子郎はん!何しはるんやー!」
「ごめん、なんだか手触りがいいから、つい」
「ついって、何ですのん」


かわいい丸い目をちょっとだけ吊り上げて、モチモンが抗議する。
そんな様子もなんだか微笑まして、光子郎は苦笑した。


「ごめんよ、モチモン」


謝って、優しく頭を撫でてはみたけれど、モチモンはご立腹なのか。
小さな手を、顔の方に思い切り伸ばしてきた。


「わてもお返しでっせ!」
「わっ」


いきなり、両方の頬をつかまれる。
押されたり、引っ張られたり、痛くはないけれど、なんだかくすぐったい。
それでも、精一杯体を伸ばしているモチモンの姿に、やっぱり笑いが零れてしまった。




(モチモンって、なんだか手触りが良くて、落ち着くんですよね)

(光子郎はんのほっぺって、なんや柔らこうて気持ちええんですわ)



***

モチモンをもちもちしたい。

2014,11,27
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -