(サブロー君女体化注意!)





まぁ、自業自得なのだけど。


「……」


悪戯と称して、時々サブローを女の姿に変えたりするのも、かわいい姿が見たいからであって。
自ら作った発明品であるのだから、変化する姿に自分の好みを反映させてしまうのもしょうがないのであって。
だから、その。


「……」


ほんの少しの間、隊長からの呼び出しを受けてラボを出ている間に、ソファの上で眠り込んでしまった相棒の姿。
大きなため息は、自分に向けてか、それとも無防備な彼か。


(どうしてくれようか)


体格が縮んだためか、ゆるゆるになってしまった服から覗く谷間とか。
柔らかに広がった、長い長い灰色の髪とか。
呼吸に合わせてゆっくりと上下する、細い腰だとか。
誰も来ない場所で良かった、なんて安堵したのは秘密だ。


「おい」


正直、グッときた、というのが本音。
何しろ、恋しい相手を理想の姿に変えたのだから。
そして、どうにも理性を揺さぶってくるような状態でいるのだから。
だけど。


「起きなァ」
「…?」


見ていられなくなって、少し荒っぽく揺さぶると、不思議そうに瞳が開く。
何、と問いかけるような瞳に向かって、脱いだ白衣を投げつけた。


「!」
「着てろ」
「ん…あれ、クルル、おはよう…おかえり?」
「いいから着ろ」


寝ぼけた声は、いつもより少し高い。
変な気を起こしてしまわないようにと、押し付けるように白衣を着せた。


「何?寒くないよ、別に」
「サブロー…その姿の時は、外で昼寝するんじゃねェぞ」
「誰のせいで、こんな格好なんだと思う?」


少しむくれた返答に、また、大きなため息が出た。
まぁ、自分のせいなんだけれど。



***

自分で変えといて1人でドキドキしてるクルルさん。
直哉様へ相互記念でした。

2010,4,18
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