魔導の少女との出会い [ 9/9 ]
『うん』
しっかりとした意志が咲犂にあって、わたしは…
「分かった、厳しく行くからね」
『分かった、頑張るから』
「それじゃあ、明日の朝から、朝、夕晩…
特訓するよ」
『あ、うん…』
その日から私は、魔導師としての修行を始める事になった。
初めは、体力が持たなくて、学校でも疲れてる事が多かった。
1週間も続けたことによって、まあ体力がついてきたこともあったおかげで慣れてきた。
エイナが言うには、魔力変換資質というのが魔術師の一部居るらしく、エイナも氷結の魔力変換資質があるらしい。
一人の魔術師に一つが基本らしく、氷結、電撃、火炎の3つが確認されているとのことだけど。
私は何ていうか、3つとも持っているみたいな感じに言われてしまった。
「咲犂お帰り。
昨日は、修行の第一段階終了お疲れ。
あの後、すぐ寝ちゃったから大変だったよ」
『朝もそれ聞いたから…
分かってるよ』
「これ、デバイス。
…実は、これ試作品みたいな感じなのだけど、ほとんど問題ないし、アクイアラと同じインテリジェントデバイスだと思うから。
咲犂と合うかが問題だけどね…
一応ね」
そう言って渡してきたのは、薄い黄緑色の石がついているブレスレット。
「これ名前無いの。
わたしは癖ありすぎて使えなくてね。
だから、咲犂このデバイスの名前つけたら?」
『…いいの?』
「いいよ、咲犂が使うから、きっと使えるはず」
『だったら…
ライエスタ…』
それを聞いたエイナは、
「ちょっと待ってね…」
そう言って、すでにつけたブレスレットのデバイスに近付き何かしだした。
「もう一度、その名前言ってあげて」
『え…ライエスタ…?』
「認証完了…っと」
それは、偶然のようで必然だった出会いと始まりの話…
そして、もう一つの始まりも、すぐそばまでやって来ていた事は私には知らなかった。
今の私とエイナがかかわってる事とは違う事だけど、その中に入っていく…
どうなるのかさえ、分からないはずだから…
見つけた…
大切なワタシの欠片
もう手放すなんてしないもの…これから紡がれるのは、ワタシにとってほんの些細な序章に過ぎないだろうね…
私にはどんな風になるのかしら…
さあ、願いの石を巡る少女たちと、赤き箱を巡る私たちの些細な事で交わった
それはワタシという存在が残す世界の物語の一つ…
ワタシは、私である の一部として…
今まで通りちゃんと居るから…
それは数奇な始まり
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