7.Love Hotel




 真夏の真昼の陽光が浴室内に強く降り注ぐ。

とにかく汗を流したくて、ナルトはシャワーの蛇口を捻った。

看板に『休憩/宿泊』と書かれた類のホテルは、高いのでめったに来ない。

「ふー……生き返るってば…」

湯の飛沫を浴びて、ナルトは気持ち良さそうに目を閉じる。

その顔に興奮したのか、サスケはナルトの体を後ろから抱きかかえた。

「サスケ、待ってってば…まだ……」

体をしっかり洗ってない、とナルトはかすれる声で続ける。

「適当でいい」

うしろからナルトの両胸に手を這わせてサスケが答えた。

これをされると、ナルトはすぐに声がかすれる。まともな応答ができなくなる。

「あ……」

もっとさわって欲しくて、ナルトはサスケの手に自分の手を重ねた。



 夏休みに入ってから、連日のように会っている。

遊びに行ったり、サスケの部屋へ行ったり。

後者は一応、勉強会という名目で。

もちろん勉強より、こういうことをしている時間の方が長い。

お茶とお菓子を持ってきてくれる母の目を盗んで、声も出せず服も脱げず。

最小限の前戯と挿入のためだけのような行為を、ナルトは本音ではあまりしたくない。

もっと思い切り抱き締めて欲しいし、誰にも気兼ねすることなくじゃれ合いたい。

それでもサスケの誘いは断りたくないし、少しだけでも触れていたい気持ちはあった。

「…サスケってやっぱり、元気なんだな……」

腰に当たる硬い感触を、ナルトは大事そうに撫でる。サスケの喉が動く。

適当に汗を洗い流して、サスケはシャワーを止めた。

抱きしめながら、耳や首筋に何度も口づける。

その体勢のまま、ナルトを膝に座らせるようにバスタブのへりに腰かけた。

ナルトの両腿の間に割り込むようにサスケの手が滑り込む。

水滴に濡れた果肉の間に指を押し込むと、そこはもうぬるぬるにぬかるんでいた。

敏感な芽をくすぐられて、ナルトは声を押し殺す。

「気持ちいいか?」

耳元を低くかすめるサスケの声に、ナルトの体が震える。

「声出せよ」

サスケの中指がナルトの中に刺し込まれる。

何度かゆっくり出し入れしたかと思うと、今度は人さし指も一緒に刺し込む。

「あっ…あぁ…」

蜜を誘うような動きに、ナルトは小さく短く声をあげた。

普段のクセで声を押し殺しているわけではない。

抑えないと、恥ずかしいほど喘いでしまいそうだから。

「入れて欲しいか?」

サスケが静かに言うと、ナルトは真っ赤な顔でコクコクと頷いた。

「…早く…入れてってば…」

ナルトはサスケの硬い部分に触れて、根元を支えながら自分の腰を浮かせる。

切っ先を的中させたところで、サスケはナルトの腰を掴んで引き寄せた。

「あれ見たい。せっかく風呂にいるんだし」

サスケはナルトの片脚を持ち上げて開かせると、愛撫を再開した。

「すげー、丸見え」

正面の鏡に、あられもないナルトの姿が映った。

湯気越しにも、ナルトのなまめかしい秘部が濡れ光っているのが分る。

「…やだ…恥ずかしいってば……」

「あれやってくれよ」

サスケは手を休めることなくナルトの体をこねくり回す。

狭くやわらかな入口から掬い取った蜜で肉芽を擦り上げる。

「あぁっ…」

ナルトの足を抱えていた手をそこに持ってくると、ピンクの果肉を分け拡げて剥き出しにした。

鏡が映すそれを、ナルトは直視できずに目を閉じる。

次々と蜜が溢れ返り、ナルトにとってもたまらない快感と興奮があった。

充血して膨らんだ芽の少し下に、サスケの指が滑らされる。

「あ、あぁ…ダメ……」

ピンポイントで刺激されて、ナルトは腰を捩って喘いだ。

追い詰めるように、サスケはナルトの一番敏感な部分を擦り回す。

「あぁ…出ちゃう、ってば……」

びくんと体を大きく跳ねて、ナルトは最初の絶頂に到達する。

その収縮に合わせて、水分が勢いよく飛び出た。

「ああっ、ああぁっ、あっ…」

その間も、サスケは愛撫する手を止めない。

正面の鏡にも水がかかる。

ナルトは気持ち良さそうに腰を痙攣させながら、淫水を思い切り噴出し切った。

「…はぁ…あ……」

サスケは可愛がるようにナルトのそこを撫でて、てのひらに乗った水をまじまじと見る。

「すげーな、お前の体…」

「…もう、やだってば……」

ナルトは何の前触れもなく、顔を歪めて泣き出した。

「こんなん、恥ずかしいってば…サスケの前で……」

「ナルト、どうした?」

サスケはうしろからナルトの顔を覗き込んで、どこか痛いのかと問いかける。

ナルトは弱々しく首を横に振った。

「…もう、おもらしとかやだってば……」

両手を顔に当ててめそめそと泣く。

そのナルトの姿があまりにいじらしくて可愛くて、サスケには逆効果だった。

「おもらしじゃねーよ」

サスケはナルトの頬から手を離させて、涙を舐め上げた。

ナルトのすること全てが可愛くて、サスケは余計に煽られる。

到達したばかりの敏感な部分に、するりと指を這わせた。

中断されていた前戯を不意に再開されて、ナルトは小さく叫ぶ。狭い入口は余計にきつく閉じた。

サスケは臨戦状態にまで硬くなった肉茎をそこにあてがうと、軽く前後に腰を揺らす。

「ああ……あぁ…」

早く入れて欲しくて、ナルトはサスケを逃がさないように脚を閉じようとする。

ぬるぬると滑る感触に、屹立した肉茎が余計に硬くなる。

「たまんねーな…」

ため息混じりに言う。

我慢しきれないように、サスケはナルトの腰を掴んで少し浮かせた。

下腹部に張り付くほどいきり勃ったものを、そこへ尽き当てる。

一度到達して強く締まったナルトの入口に、強引に突き入れていく。

「は…あぁ……」

中を広げながら侵入する感触を、ナルトは味わうように目を閉じた。

根元まで挿入しきると、サスケは一瞬歯を食いしばる。

ナルトの腰を両手で支えて、数回軽く突いた。

溢れ返るナルトの蜜液とサスケの水分が混じり合って滑る。

あとはリミッターが外れたように、全身を快感に浸すだけだった。

強い摩擦を生むように、激しく出し入れする。

「ああっ、あっ、んっ」

ナルトの膣内はサスケを強く締めつけて、奥へ引きずり込もうとした。

「すげー、気持ちいい…」

ナルトの中のあまりの良さに、サスケは腰が痺れるほどの快感に耐える。

サスケはナルトの両腿を大きく開かせて、欲情任せに突き上げた。

「は、あっ、サ、スケ、ああっ…」

「ナルト、見てみろ」

サスケは鏡を顎で示す。

硬い肉茎をいやらしく飲み込む、出し入れされる部分が剥き出しに見える。

ナルトはそれを一瞬だけ見て、目を閉じて背を仰け反った。

「ああっ、あっ…気持ち、いぃっ……」

ぎゅうぎゅうとサスケを締めつけて、ナルトは二度目の波に飲まれる。

絶頂の痙攣が治まるまで、サスケはナルトの体をうしろから抱き締めていた。

それが治まっても、ナルトの中はまだサスケを締めつけ続ける。

どうしても顔が見たい。

サスケは構わず、腰を引いてナルトから引き抜いた。

「あぁっ」

引き抜かれた衝撃にひくひくと震えるナルトの体を抱きかかえて反転させる。

向かい合うようにナルトの体を引き寄せると、片脚を開かせて突き入れ直した。

「は…ぁんっ」

サスケはナルトの頬に触れると、口づけながら律動を再開する。

「んっ、んんっ…」

体を揺らされながら、ナルトは気持ち良さそうに喘いだ。

サスケは唇を離すと、ナルトの胸に口づける。

舐めたり歯を立てたり吸ったり、舌と指で多少乱暴に可愛がる。

「ああっ、はぁっ…」

挿入されながら胸を刺激される快感を、ナルトはサスケによって教え込まれた。

「お前の中、すげーいいぜ…」

サスケが何を言っても、ナルトはすでに返事ができる状態ではない。

「やべ、出そう…」

ナルトの中で、サスケの肉茎が極限まで硬く膨張しているのが分かる。

このままナルトの奥に射出してしまいたい衝動を寸前で抑えて、濡れた淫口から引き抜く。

「くっ…」

サスケは歯を食いしばって、最初の一滴を放出させた。

腹部にかかるように出したそれは勢いのあまり、ナルトの顔にかかる。

「んっ」

ナルトが目を閉じる。

二度三度と脈打って射出された白濁は予定通りナルトの体にかかって垂れた。

「悪い、目に入ったか?」

サスケがナルトの顔を指で拭う。

「大丈夫だってば…」

ナルトはうっすら目を開けて、サスケの膝から降りて屈み込む。

まだ硬く屹立したままの肉茎を口に入れて、舌先で舐めた。

「ナルト、いいって…」

言いかけたサスケの声が途切れる。

中に残った白濁を吸い上げるように、ナルトは根元を強めに掴んで扱き上げる。

正直少し痛い。と、言えないほどナルトが可愛い。

「…サスケ…大好きだってば……」

淫荒の熱の残る性器に何度も口づけて、ナルトはうっとりと目を閉じた。





 シャワーで汚れを洗い流して、一緒にベッドに入った。

映画を観たりニュース番組を見たり、その間もナルトはサスケにぴったりくっついて離れない。

せっかく色々揃ってるからゲームでもするかとサスケが提案しても、体を離すのが嫌だとナルトは聞かない。

ナルトがうとうとと目を閉じかけた頃、サスケはベッドの中で体を起こした。

「トイレ行ってくる」

「オレも行く!」

ナルトは慌てて目を開けて、サスケの背中に抱きついたまま一緒にベッドを出た。

「トイレくらい一人で行かせろよ」

「まだ硬い、いつ治まんの?」

サスケの問いは無視して、ナルトはサスケの下腹部をまさぐった。

「ほっときゃそのうち治まる」

気の抜けた声でサスケは言うと、トイレの便座を上げた。

「硬いからしにくいだろ? オレが持っといてやる」

さすがに煩わしくて、サスケは小さくため息をつく。

「ふーん、こんな風に出てくんのか。男って不便だな」

ナルトは一瞬、尿道口の前に指をかざす。

「汚ねーな、さわんなよ」

「汚くねってば、サスケのだもん。あったかい」

ナルトの言葉に総毛立つ。

サスケはナルトの指が汚れたのを嫌がって、即洗わせた。

それがナルトにとっては理解できない。

「自分だってさっきおしっこさわってたじゃねーか、風呂だからとかなんとか言って」

「あれは小便じゃねーからいいんだよ」

「でも同じとこから出てくんだけど」

「うるせーな」

ナルトの手からハンドソープの泡を洗い流すと、サスケはその手をぐいっと引っ張って抱き寄せる。

そのままベッドに勢いよく押さえつかた。

「また潮吹かせてやろうか?」

「もう疲れたから無理」

ナルトはサスケの首にしがみついて、嬉しそうに目を閉じた。

「サスケ大好きだってば……」

「やべ、また勃ってきた」

甘い囁きに答えることもなく、サスケはナルトの手を取って自分の下腹部に触れさせる。

「治まるどころか、余計硬くなってるじゃねーか」

「じっとしてろ」

サスケは何度もナルトの頬や瞼や首筋にキスをする。

白いバスローブの袷を割って、胸の果実を舐めたり摘まんだりする。

「サスケ…気持ちいいってば……」

ナルトはサスケの髪を撫でながら抱き締めた。

結局、この後も連続で何度も交わることになる。









(2012.10.12)



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