ナイトアクアリウム




※設定※

ある日ハーレムの術じゃない通常の多重影分身を使ったナルト。

術を解いても何故か消えなかった1人がナルコでした。

ナルコはナルトにこう言いました。

「オレどうしてもサスケが好きなんだってばよ!!」

以来仕方ないのでナルトはナルコを居候させてやってます。



ちなみにナルコは心と体が女の子。

名前と口調と人格はナルトのまま。

ナルコは公式のつもりで書いてますが、事実上女体化です。










 かつてマンセルを組んで任務をこなし、最も親しい友と認められた割には初めて足を踏み入れたうちは邸の裏庭。

カサリと枯葉を踏む軽い足音を振り返ると、会いたくて仕方なかった人がいた。

「サスケ!」

勢いよく抱きつかれて、サスケは困惑してナルトの体を押し返した。

相手がナルトだと思うとさすがに抵抗がある。

何も言わずにナルトの手首を掴んで家の中に入った。


「お前……何なんだ一体」

茶の間にちょこんと正座するナルトから少し離れた場所に座り込むと、サスケは困惑顔のまま問いかけた。

「何って今更……うずまきナルトだってばよ。お前と最後に会ったのは大蛇丸のアジトだったな」

サスケはため息をついて壁にもたれかかった。

ナルトはふざけている風でもない。

その大蛇丸のアジトで再会した時に着ていたのと同じ服をぶかぶかに着たナルト。

よく見知った眩い金髪(ずいぶん長いが)をふたつに結い上げて、袖と裾をロールアップしている。

ちょうど昔のナルトがそうしていたように。

「お前、下らない術のし過ぎで体が元に戻らなくなったのか?」

今度は心配そうにナルトの顔をじっと見る。

「下らないってひでェな、あれだってオレが編み出した立派な術なのに。それにオレは本体じゃねってばよ」

「本体のナルトとは別に派生した影分身か…」

サスケが事情を飲み込んだのを見て、ナルトは「そう!」と笑った。

それなら少し抵抗も和らぐ。

いくら見た目が女でも、中身が男ならこんな目で追いかけ回されても困る。

もともと追いかけ回されていることに変わりはないのに。

「その服は本体のナルトのか?」

「そうだってば。裸のままじゃ目のやり場に困るって言うから借りた」

そのセリフを言う本体のナルトが目に浮かぶようで、サスケは少しだけ笑った。無意識に。

「あっ、やっと笑ったってば!」

身を乗り出してサスケの顔を覗き込んだ。

「おい、くっつくな」

会ってから初めてサスケの表情が緩んだのが嬉しくて、制止をものともせずナルトはサスケに詰め寄る。

「サスケェ……オレ、幸せだってば…お前とまたこんな風に……」

ナルトはサスケの隣ににじり寄り腕に抱きつく。

未知の生物を相手にどう対処していいか分からず、サスケは頬を赤らめた。

「…離せっ、何の用でオレを呼び出した…」

腕をふりほどかれて、ナルトはサスケをじっと見上げる。

「…それはサスケの部屋で言うってば……オレ、サスケの部屋行きたい」

「…………」

熱っぽく潤んだ目に見つめられて、サスケは思わず頷いてしまった。


「お前ってばアカデミー生まではここにいたんだな」

初めて彼氏の部屋を訪れる女の子というのはこんな幸せな気分なのかと分かると、ナルトは嬉しそうに部屋をうろうろしたり窓の外を眺めたりベッドに座って跳ねたりした。

「で、何だよ」

ドアの側に突っ立ったままサスケが言うと、ナルトはサスケの腕を引っ張って自分の隣に座らせる。

「お前、一族を復興させたいんだよな…?」

真剣な、それでもどこか恥じらいを秘めた表情で言う。

「…オレに手伝わせて欲しいんだってば」

言い終えるや否やどんどん頬を真っ赤に染めて、尚もサスケから目を逸らさない。

サスケもつられて赤くなった。

「…なに言ってんだよ……お前は男だろ…」

「もう男じゃねェ。お前に会いくて、お前の役に立ちたい一心で実体を手に入れたんだ…」

きゅっと唇を噛む。

「…だからって……」

「お前の役に立てないなら、オレは本体を飛び出した意味がない……ただの無駄な存在でしかなくなっちまう……」

後は全ての判断をサスケに委ねるように、ナルトはサスケにしがみついた。

その体を引き離そうとして、サスケの手が止まる。

初めて触れたナルトの体は弱く震えていた。

同じだと思っていただけで、このナルトはサスケのよく知るナルトじゃない。

華奢でか弱い、女体そのもの。

「落ち着け、ナルト……お前変だぞ……」

自分に言い聞かせるように、落ち着かせるようにぽつりと言う。

抱きつかれた腹部に感じるやわらかな重み。

サスケはごくっと喉仏を上下させた。

下半身が鈍く疼く。

「ナルト、離れろ……」

「やだってば」

「これ以上くっついてると、取り返しがつかなくなるぞ……」

ナルトは黙ったまま、余計にきつくサスケを抱き締め直した。



待てよおい、どうしたんだオレは一体!? これはナルトだ、あのうずまきナルトだぜ!?

丸太に縛り付けられてたあのウスラトンカチだぜ!?

そのウスラトンカチ相手に……

……………………

……勃起してるなんて……

一体どうしちまったんだオレは!!!




ひとしきり逡巡して、ナルトの体を抱き起こす。

もうナルトの表情はすっかりベッドの上のものになっていた。

可愛い。

かなり可愛い。

「……途中で泣いてもやめねーからな」

「…泣かないってば……」

ゆっくり唇を重ね合わせる。

アカデミーの一室で起こった惨劇、あの日と変わらずナルトの唇は柔らかかった。

ナルトの体をベッドに横たえてジップアップを下ろす。

白い肌が露わになると、サスケはさすがに驚いた。

いくら激しい戦闘に耐え得る厚手の生地とはいえ、服の下に何も着ていない。

「サスケ……」

「ん…?」

「オレ、もう…痛くないから……途中でやめないで、最後までして欲しいってば……」

「……?……」

もう痛くないとは。

サスケは耳を疑う。

「このために、本体のオレに手伝ってもらって練習したんだってば……」

練習?何を?

内心突っ込みたいのを抑えて、サスケは冷静に答える。

「お前まさか…本体のナルトと……」

ナルトは恥じらったまま、コクンと小さく頷いた。

「……あの野郎……」

「サスケ、大丈夫だってば……本体のオレも最初散々嫌がってたけど、だって、本体は自分自身なんだから…自分でするのと同じだろ……?」

サスケの眼が朱く変わったのを見てナルトが言う。

そんな理屈があってたまるか。

いくら同一人物でも、本体は男で影分身は女。

オトコとオンナであることに違いはない。

「もうしないから……ごめんってば……」

困ったように言う顔も可愛い。

「…やる前に萎えるようなこと言うんじゃねーよ」

まさかと焦ってナルトはサスケの下腹部に手を添える。

萎えるなどとんでもない、サスケのそこはしっかり滾っていた。

「…おっきくなってる……」

「お前のせいだ」

「……嬉しいってば……」

ナルトは本気で涙目になって答えた。

引き合うように勢いよく、もどかしい手つきで衣服を脱がせ合う。

オレンジの上着を剥ぎ取ると現れた真っ白なふたつの膨らみにサスケが手を伸ばした。

掌に跳ね返ってくる弾力が女体を主張する。

感触を楽しむように両手で弄びながら、サスケはその谷間に音を立てて口づけた。

続けざまに薄桃色の蕾を舌でチロチロ苛めてやると、ナルトの肩がびくんと跳ねる。

「あぁ……サスケェ……」

たまらない快感がゾクゾクと込み上げてきて、ナルトはもじもじと身をよじる。

サスケの背に回した両腕が頼りなく震えた。

舌と指の愛撫を続けながら、サスケの片手がナルトの太ももに触れる。

ぴったり閉じられた両脚を強引にこじ開けて、肉体の中心部に指を滑り込ませた。

「あっ……」

もう蜜を滴らせ始めたその部分は、貫通されたとはいえ刺激に敏感過ぎる。

充血して潤んだ萌芽をいじってやると、ナルトは簡単に声をあげた。

「あっ、あ……」

「お前、本当に女なんだな…」

どんどんと蜜を溢れさせながら声をあげるナルトの反応に、サスケは夢中で前戯を続行する。

そこから指を少し滑らせただけで、引力に負けるように水源に指先が飲み込まれた。

そこへ入れるか入れないかをヌプヌプと繰り返す。

「ああっ……んっ…」

さっきよりたまらないもどかしさに、ナルトはサスケの手を掴んで自分で腰を浮かせた。

遠慮がちに閉じていた両脚は大胆に開く格好になり、溢れた水分がシーツを濡らす。

指をゆっくり刺し入れると、少しの抵抗をもって根元まで飲み込まれた。

「はぁっ……はあ……」

それだけで敏感なナルトの内部はサスケの中指をきゅっと締めつける。

「早く、サスケの……欲しいってば……」

枕元のシーツを握り締めて言う。

指を入れただけでこんなになってるくせに。

入れて欲しいと言いながら、たっぷり指で慣らして欲しい。

サスケはゆっくり指を出し入れさせながら、少しずつその幅と速度を上げていく。

「あ…ああっ…あ…」

ヌルヌルと滑る摩擦のけだるい快感に比例してナルトの声が上ずる。

指を出し入れしながら手のひらで濡れた萌芽を擦り上げる。

「ひ…イヤぁ……あっ……」

一番いい部分を刺激されて、ナルトはイヤイヤをしながら悦ぶ。

同時に、お預けになっていた乳房への愛撫も再開される。

硬くなった蕾を甘噛みするように刺激されて、ナルトはついに達した。

「いや、ぁ…ああッ……」

ビクンビクンと全身を大きく痙攣させる。

痙攣が治まりきるまでサスケはそれを止めなかった。

「はぁ…はぁ……」

力尽きたように、もう満足してしまったようにナルトは肩で息をする。

サスケはナルトの中から指を引き抜くと、待ち切れなかったように膨張しきった自分自身をそこに当てた。

極限まで猛って筋立っているのを感じ取って、ナルトの表情に一瞬不安が翳る。

「痛かったら言えよ…」

さっきは痛がってもやめないと言ったのに。

先端に滲む体液をナルトから溢れた蜜に融け合わせながら、そうっと、ゆっくりひとつになっていく。

「あ…あ……」

泣き声のようなナルトの声に、我慢できなくなりそうなのをサスケは必死で堪える。

互いに焦れながら、やっと完全に繋がった。

隙間なくぴったりと繋がって、骨が軋むほど抱き締め合う。

「ナルト、痛くないか?」

「…痛くないってば……」

早く突き上げて欲しくて、サスケの背中から腰へ両腕を滑らせる。

それが合図だったかのように、サスケは少し上体を起こす。

確かめるように数回ゆっくり突いてから、あとは箍が外れたように激しく腰を打ちつけた。

「あっ、あっ、はぁっ、はんっ」

サスケの律動に合わせて気持ち良さそうに喘ぐ。

「あっ、はぁっ…サ、スケっ……」

緩急をつけて与えられる揺動に、ナルトは息も絶え絶えになる。

「サ、スケェ…い…ぃっ…」

「…ナルト…」

「い、あぁ…いぃっ……」

サスケは押し上げたナルトの両腿を押さえつけて、思い切り突き上げてやる。

ナルトはビクンと腰を跳ねて、体を仰け反らせて快楽の絶頂を迎えた。

痙攣に合わせてナルトの中が強く収縮する。

それに誘われるように、思ったよりあっけなくサスケも限界を超えてしまった。

ナルトから引き抜いて、汗ばんだ白い肌の上に勢いよく射精する。

いつもの癖で、つい。

「「あ…!!」」

顔を見合せて、同じトーンで声を発した。

「…サスケ……外に出したらダメだってば……」

「…悪い、つい……」

せっかく気持ちいいのに、その余韻に浸りきれない。

「…でも嬉しいってば、オレのこと大事に思ってくれたんだな……」

ナルトがはにかんで言う。

その顔があまりにもかわいくて、サスケはもう一度ナルトの唇に吸い付いた。

「んっ……」

舐め合うように舌を行き来させながら、まだし足りない欲求が巡ってくる。

ナルトの手を取って自分のを握らせると、手を重ねて扱かせた。

「…サスケの、まだ硬い……」

「だからお前のせいだ、やり直すぞ」

「……嬉しいってば……」

さっきと同じように言われて、同じように答える。


その後も結局二度目三度目、三度目四度目と抱き合った。

交わった部分が擦れて痛くなる程夢中で。






 ぐったり絡み合って行為後の倦怠感にまどろむ。

ナルトはサスケの腕に頭を乗せて天井に揺れる影をぼんやり見上げていた。

庭木の葉が夜風に舞う。

その影を月光が天井に映す姿は魚の群れに似ている。

「水族館みたいだってば」

サスケはナルトの細い肩をグイと抱き寄せた。

「…もうナルトの元には帰るな」

思い詰めたような声に、ナルトはサスケを見上げる。

「お前を他の奴の側に帰したくない…」

「…おかしなこと言うな、サスケってば…オレと本体のオレは同一人物なのに」

「それでもだ」

おかしなことを言った自覚はサスケにもある。

どうかしてる。そう付け足す。

「どうかしてる状態」が恋愛なのに。

サスケが生まれ育った家をもっと見たいとナルトがせがむので、重い体を引きずって部屋を出てみた。

腕を絡めて身を寄せ合って、片時も離れないように。

「ここがお前の兄ちゃんの部屋か」

自分たちしかいない、何年も空き家だったはずの家なのに、不思議と人がいたような気配がある。

「…なんか変な感じだってば」

「この家は出てもおかしくないかもな」

「やだ、怖い話は苦手なんだってば…」

サスケが意地悪く笑って言うと、ナルトは一層強くサスケにしがみついた。

「そういうのじゃなくて、怖い感じじゃないんだってば…もっと…」

「…ああ」

火の消えた蝋燭を手に取ってサスケが答える。

「サスケ…オレほんとに、お前のこと……」

ナルトが続きを言う前に、サスケによってお喋りな唇が封じられた。











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