体液交換
幻術はどうやら成功したようだ。
目の前の兄を見てサスケは確信する。
イタチは黒鴉の面を外してサスケの目を見た。
里を抜けた頃だろうか、あどけない表情、華奢な両肩、今よりほんの少し短い髪。
「そんなにじろじろ見るな」
「兄さん、こんな可愛かったんだな…」
「オレが可愛いんじゃなくてお前が大きくなったんだ」
どうしてもとサスケが言うので、イタチは可愛い弟のわがままを聞いてやった。
生き別れる前に戻りたかったのだろう、どうしてももう一度あの頃の兄に会いたかった。
幻術使い同士だとこんな利点もある。
「お前はどうして今の姿のままなんだ」
イタチが問いかけると、サスケは小さな兄をぎゅうっと抱き締めた。
「オレまで縮んだらこういうことできなくなるだろ」
息苦しさにサスケの腕を離そうとして、イタチはそれを諦める。
どうしても弟には弱い。
「…こうやって外すのか」
パチンと肘のプロテクターを外す。
サスケだって元は木ノ葉の忍。
木ノ葉の暗部がどんなものだったか知らない訳ではない。
その一握りの精鋭だけが纏うことを許された装備を剥いで行くことに少なからず興奮した。
サスケだけでなく、もちろんイタチも。
脱ぐのも脱がせるのももどかしくてサスケは強引にイタチの忍服に手を滑り込ませた。
まだ成長の余地のあるそれを握ると、イタチの喉が微かに動く。
「…気持ちいい?」
青い性は刺激に敏感過ぎて、少し構っただけで簡単に膨れ上がった。
サスケはイタチの服をずり下げて肌を露出させる。
静脈の色が透けて見えるほど初々しいものが露わになって、イタチは頬を赤らめて視線を逸らした。
サスケも衣服を解いて窮屈になった自身を解放する。
「オレのより少し小さいか」
サスケが言うとイタチはやっと小さく頷いた。
可愛い過ぎる、兄にもこんな頃があったのかと思うと、サスケの情欲がますます猛る。
「痛そうだな、後ろでした方がいいか」
猛り狂う下半身とは反対に、サスケは冷静に言うとイタチの両手を床に付かせた。
果実のように張る双丘を、感触を楽しむように撫で上げる。
質感もしなやかさも、少女のそれと変わらない。
唾液で濡らした指先を薄い粘膜の蕾に当てる。
「ん…」
つぷ、と指を差し込んで中を探るようにゆっくり進入させた。
「痛いか?」
イタチは声もなく首を横に振る。
サスケはその指で中を分け拡げるように丹念に前戯を施した。
いい部分を掠めるのか、時々サスケの指を締め付ける。
「思ったより大丈夫そうだな…入れていい? 兄さん」
指をぬるりと引き抜くと、サスケは屹然と膨張したものをそこに突き当てた。
「あ…あぁっ…」
ずぶずぶと突き刺されて、イタチはしっかり奥までサスケを咥え込む。
「…すげ…きつい……」
もう我慢できずに腰を動かし始めると、イタチの肩から力が抜けて上半身から床にしなだれかかった。
まだ開発された気配もないのに、イタチは痛がる風もなくサスケを締め付ける。
小さくなったイタチの体を揺さぶりながら、サスケはイタチの下腹部に手を回した。
「あっ」
握り込まれたイタチはそれも爆発寸前にまで張り詰めて、先端から水分が滴っている。
激しい律動に合わせるように擦り上げると、快感に耐えるようにイタチの腰が小刻みに震えた。
「遠慮しなくていいから…いってくれよ兄さん」
サスケは一層強くイタチを突いて、手の動きを早める。
「…あぁっ……出ちゃう…」
イタチは一瞬背を大きく仰け反って達した。
「あ…あ……」
サスケの手淫に任せてビュクビュクと白濁を放出する。
「オレも…もう出そう……」
最後の追い込みのようにイタチの中を激しく出し入れして、サスケも尽き果てた。
余韻を消さないようにつながったままなだれ込む。
呼吸が収まった頃漸く引き抜いて、サスケはイタチの体をごろんと反転させた。
「…可愛い……」
「…うるさい」
サスケに抱き締められながら、イタチはムキになったように言い返す。
術を解くのが惜しい。
抱き締め合ったまま、何度も唇を重ねて、何度も互いのあちこちに口づけ合った。
了
***
映画「デモリションマン」の中の名シーンのひとつ、バーチャルセックス。
チャット中に、『幻術使い同士ならああいうことできるんじゃ』と言ったら『ちょっとそれ書いてよ』
と背中を押してもらい…
ほんとにただハァハァしてるだけの話です;
2023年では実際に体を交える性行為は不潔とされてるという設定で、「今どき体液交換なんて」
みたいな台詞が印象的でした。