口の中いっぱいに広がる甘いイチゴの味。細い棒を左手で弄りながら口の中に収まった部分の飴を舐める。
いつもは自分の持ち歩く棒キャンディを食べるのだけど、大きなうずまきのキャンディを貰ったので今日はそっち。
口の中に全部入らなくてどこか間抜け。
放課後なので口に飴咥えて歩いてても何も言われない。相変わらず規則の緩い学校である。
「白衣さん」
「ふぁい?」
 可愛らしい声に呼びとめられて飴を咥えたまま振り向いた。
これまた凄く間抜けな顔してると思うけれど振り向いてしまったのでもう遅い。
そこに立ってたのは可愛い女の子。白くて長い髪と赤いリボンの対比が凄く可愛い。
「えっと…どちらさま?」
「ゆすらです」
 にへ、と効果音が付きそうな可愛い笑顔。キューンと何かが走ったのは気のせいじゃないはず。
ゆすらちゃんはとことこと私に近づき、そのまま私が咥えてるうずまきキャンディの露出している部分を舐めった。躊躇いも無く、ぺろっと。
あの、舌が今、唇掠めて…
「っひゃ!?」
「桃だと思ったらいちごなんだ!」
 ぱああと表情を明るくして、一人納得したらしいゆすらちゃんは棒キャンディの棒を持つ私の左手ごと掴んで舐めてくる。
華奢に見えるのに思ったよりも力が強い。あの、だから、舌が唇に当たって―――
「っ〜〜〜〜!!」
 声にならない私の叫び声が廊下に木霊しても、助けてくれる人は誰もいない。


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