「生存戦略―!!!」
「いやお前それ言いたいだけだろう!?」
「何故ばれたよしご褒美に俺のエクスカリバーをお尻に「やめろー!!!」


 壁際に先輩である喜一を追いこんだ猫市は暴走していた。
手に持つのはデザインこそは可愛らしいが立派な大人向けの夜の玩具。持ったままニコニコと場違いな笑顔を浮かべている。
「大丈夫ですよあの人のコレクションから一番小さいの持ってきましたから。初めてでも慣れて無くても痛くないですよー」
「いやいや待て何で入れる事前提になってんだっ!?」
「可愛い先輩をもっと見たいんですよぉ」
 ほんのりと頬を染め、その姿だけ見れば恋をする乙女の様。しかしそれは萌え故の紅潮だった。
ゆっくりと歩み寄る猫市の影から無数の黒い触手が喜一へと伸ばされる。
「っひ…!?」
「痛くないですよぉ影ちゃん気持ち良くしてくれますから」
 悦楽に歪む表情のまま影の触手を愛おしそうに撫で、猫市は怯える喜一へ影を向かわせようと合図をしようとした。
しかしその合図は下される事無く、後ろから伸びた腕に遮られる。
「えっ」
「ねーこーいーちー…?」
 くぐもった声がのっぺりとした黒い面の下から木霊す。
驚いた顔で猫市が後ろを振り向くのとその頭上へ猫の持つモップの柄が落とされるのはほぼ同時の事だった。


「何かいう事は」
「…センパイごめんなさい」
 涙目のまま頭を押さえ、猫市は喜一を見上げる。頭に一発打撃を受けた事で正気に戻ったのだ。
喜一はまだどこか怯えた顔で猫の後ろから猫市の様子を窺ってる。
「この卑猥物は没収な」
「先生それ自分で使うの?」
「突っ込まれたいか?ん?」
「ごめんなさいっ」
 逃げるように廊下をかけて行く猫市の姿を見ながら猫はため息をつく。しかし自分の体に走った違和感にビクンと体を震わせた。
「……喜一?」
「先生、前から思ってたんですけど…良いケツしてますよね」
 先ほどまでの怯えた顔はどこへ行ったのか。
幸せそうな笑みを浮かべ猫の尻に指を這わす喜一の頭に猫のエスカリモップがクリーンヒットした。


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