(これが終わったら保健室…ほけんしつ…)
 猫市はふらふらと廊下を歩いていた。その手にはクラス分の連絡票の入った袋。とある先生に頼まれて持たされた物だ。
しかし猫市が行こうとしていたのはクラスと反対の保健室。断り切れなかった結果また教室へ逆戻りする形になった。
「断ればよかったかな…」
 血の気が失せ猫市の顔は白いを通り越し青白くなっていた。
俯き加減に廊下を歩いていた猫市は前から来た青い体に気がつかずぶつかってしまう。
「はわっ」
「お、大丈夫か?」
 よろけて倒れそうになる猫市の体を逞しい腕が抱き止める。眩暈で回る視界の中見上げれば鮮やかな青と逆向きの顔。
「…ひじき先生」
「ひじきえもん、だ。君大丈夫か顔真っ青だぞ」
 貴方よりは青くないはずだ。そう思いながら猫市は大丈夫と足に力を入れるがなかなか真っ直ぐ立てず、壁にもたれる。
どうやら最後の力を使いきってしまったようだった。
「…みゃー」
「ここで蹲ってても仕方ない。保健室に連れて行ってあげよう」
「わっ…すみません…」
 軽々と抱きあげられ保健室へ向け歩き出すひじきえもんの腕の中、ポケットは無いのだろうかと猫市は全然別の事を考えていた。


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