廊下に乾いた足音が響く。遠い。遠い。なんでこんなに遠いんだろう。なんでこんなに進まないんだろう。運動は得意。走るのだって嫌いじゃない。でも今日はなぜか遅く感じる。ひとつひとつ部屋番号を確認しながら走る。すれ違う人の目なんて気にしないいや、気にする余裕なんてない。やっと見つけた、つきあたりの部屋。はねる息もそのままに、目の前のドアを開けた。 - 2 - ≪PREV NEXT≫ 2/77 [top]