私の知る五ェ門さんはとても強くて素敵な方です。
切れ長の瞳は、人によっては「目付きが悪い」と言う方もいらっしゃいますが私はそんなことはないと思います。
顔の横にくるんと丸まったモミアゲもお茶目です。
そんな外見以外にも凄いところは沢山あるんですよ。
例えば、剣の腕前。常に持ち歩く斬鉄剣でどんなものも一刀両断するのです。剣術だけではなくて示刀流空手の免許皆伝でもあるんです。
尊敬します。涼しい顔でなんなく全てをこなしてしまう五ェ門さんのことを。
そして何より、これは大抵の方がご存知ないと思いますが、五ェ門さんは笑顔がとても優しいんです。次元さんが言うには「ありゃ、お前にだけだ」だそうですが、そんなはずはありません。五ェ門さんはどなたにも優しいのですから。
「てーことを、なまえちゃんに言われたんだけんども、何?お前らいつの間にそーんなチョメチョメな関係になったってーワケ?」
「ふざけるな!……俺たちはチョメチョメな関係などではない」
「でも実際よ?女嫌いだったんじゃあありませんでしたっけ、五ェ門さんは」
「そうだ、俺は女は好かん!仕事に絡む時は特にな」
「とか言ってお前さん、なまえは別物なんだろ?」
「そ〜そ〜、なまえちゃんは別格別格」
「黙らんかルパン!次元も黙らんと……斬る!」
「「わーわー!待った!」」
「フン…胸糞が悪い。俺は席を外す」
「なまえちゃんに宜しくなぁ」
「黙れ!」
鼻息も荒くドアを蹴飛ばす勢いで五ェ門は部屋を後にする。部屋の中にいてはルパンと次元の二人につつかれてうっかりボロが出そうになる。
女は好かん、と豪語する五ェ門にも唯一の女性がいる。なまえだ。出会った当初こそ邪険な態度を取っていたものの、今では優しさを見せるようになっていた。五ェ門の優しさはほとんどなまえに注がれていると言ってもいいほどに。
「あ、五ェ門さん」
「…なまえ」
廊下でばったりなまえと出会った。それまで眉間に皺を寄せていた五ェ門も、すっと気分が落ち着いたようだった。
「どうしたんですか?何だか怒っているような…」
「そんなことはない。なまえは気にせんでいい。それよりこれから時間はあるか?」
「はい、ありますよ。もしかして鍛練ですか?」
「そうだ、これから二時間ばかりやろうと思う。見に来るか?」
「もちろん!」
お誘いも見事受け入れられ、二人は楽しそうにアジトから出て鍛練場へと消えていった。
その後ろ姿を、ルパンと次元が窓から見下ろしていた。若干の笑みをたたえて。
「ほ〜らな、五ェ門のヤツ。ムッツリなんだからなぁ」
「ま、オープンなお前よりはマシだな、ルパン」
―――――――
まあ、何だ、見逃してやって下さい。1stの五ェ門さんはデレそうでデレなさそう。しかしデレる。って感じ…ですかね。
それらしさは出ていませんが。うーむ、精進します。