※妄想新シリーズの続きです。 ※新シリーズ放送前に五ェ門のイラストを見て書いた話なので、捏造となります。 ※主人公はルパン達と同じ世界に生きる人です。小さなホテルの主人 ※そのため少々暴力的かつ際どい表現が出る危険性あり ※苦手な方はご注意を 「頼む!部屋を、部屋を貸してくれぇッ」 「はいはい、ワケ有りのお客さん二人ね。205号使いな」 「助かる!さ、急げ」 「………」 今日の客、男1女1。いかにもワケあり。205号室を貸す。 「部屋頼めるか?男同士だが…」 「男同士?構わないよ。回るやつにしとこうか?」 「そんな気分じゃないな」 「余計な気を回すなって?ハハ…はい、キー」 今日の客、男2。悪かない。304号室にご案内。 「お前が主人だな?今、ここに女連れた野郎が来なかったか?」 「おいおい、ここを何だと思ってんだい。そんなのいくらでもいるよ」 「こんな身なりした女だよ」 「ああ…それならさっきうちの前を通ってったかね。見えたのは一瞬だからそいつらかは分からないけど」 「ホントだろうなぁ…隠し立てしやがったらハネるぞ」 「だったら部屋一つ一つ回ってくればいい。もっとも、お楽しみ中のところに入りゃどうなるか…タマの一つ二つはないもんと思わないとね。ああ、さっき急入りで偉いさんが来たが…」 「チッ、あぁったよ。邪魔したな」 今日の客、男3。ついさっきの女連れの追手かな。泊まりはナシ。 「さ、次は…ってアンタまた…ハァ、血だらけじゃないの」 「………」 今日の客、侍1。血まみれ。この間世話してやったヤツ。また来た。 「今度は何して…って、この間の傷んとこ…開いたんだろ?ちゃんと治るまでは下手するなって言ったじゃないか」 「あんたの治療が甘かったせいだ」 「違うね。私の手当ては完璧さ。ロクに治しもせず動き回ったアンタが悪い。あーあ、参るよ。ここは病院じゃないんだ」 「この間は治したろう」 「営業妨害になられちゃ困るからだよ。ったく、ホラ、こっち来な。看てやるから」 気に入られたのか、まさかそんなことはないか。 多分、都合がいい場所だと思われたんだろう。しまったな、そんなつもりでいられるとこの先もいいように利用されちまうかな。 数週間後、そいつはまたフラッと現れた。今度は特にケガがあったワケじゃないみたいだ。 「よう兄ちゃん。何しに来たよ」 「……別に」 「何もないの?おかしなヤツだね」 その数日後、そいつはまたまたやってきた。今度もケガはなし。少し汚れちゃいたが。濡らしたタオルを投げ付けてやった。 また週を空けて、日を空けて、どんな生活をしてるのかは知りたくもないが、そいつはしょっちゅう顔を出すようになった。暇なのかしらん。変なヤツ。 「もしかしてアンタさあ…」 「………」 「淋しいの?」 「…誰が」 「アンタだよ、アンタ。淋しいなら慰めてあげるよ」 坊やはこんな所に何を求めてるのか知らないが、来るからには何かあるんだろう。 「叩っ斬るぞ」 「女は斬らん、じゃなかったっけ?」 「……そうだな、剣が穢れる」 「思い直してくれる頭があって良かったよ」 冗談も通じないような硬い頭の持ち主なのはよく分かった。 ―――――――― ちょっと品がないかな。 いつもとちょっと違うタイプのものに挑戦してみた…といった感じです。 ← |