※2nd131話「二人五右ェ門斬鉄剣の謎」とは関係ありません。 ※特にオチはない。 「おはよ…ってあれっ、五ェ門が二人!?」 「「うむ…」」 「いったい全体、何がどうしてこうなった!」 朝起きて五ェ門が二人に増えていたとあっては驚きだ。 見るからに二人、どう見ても二人。揃いの着物、揃いの袴、揃いの髪型ときて、何故か斬鉄剣は一本。だから、二人の五ェ門がそれぞれに斬鉄剣の端を握っているという一見鏡のような光景が広がっているのだが、これが中々にシュール。 シュールとか言う前にちょっと意味が分からない。これ、本当に鏡じゃないんですよね…。 「いつから…」 「「目覚めたらこうなっておった」」 「声も二人分!?」 「「拙者が喋ればもう一方も喋る。とは言えどちらも拙者なのだが…」」 「うお…混乱しそう。いや、今まさに混乱中…」 声も一緒ときたもんだ!よし、分からない! もしかしたら私はまだ寝てるのかもしれない。夢でも見てるんだ、これは夢。そうかそうか、ならちゃんと起きたらいいんだ。その為にはまずですね… 「もう一度おやすみなさい」 「「何故拙者の膝を使う。起きんか!」」 「ぐぇ!両側から引っ張られ…いたたたた!」 もう一眠りすればいいのかな!なんて思ってダブル五ェ門の膝を借りようとしたら、両方の頬っぺたをつねられた。ダブルパンチならぬダブルつねり。痛い。 「そうか…夢じゃないんだ…。何て言うか、どうしてでしょうね?」 「そんなことを」「言われてもだな…」 「双子かっ!分割して喋るな!」 おおお…これは本格的にちんぷんかんぷん。逆に清々しくなってきた。 これは何だろう、ルパンのいたずら?それともやっぱり夢?痛みすら感じちゃうようなリアルな夢なんじゃないだろうか…。 「「時にお主」」 「ん?」 「「お主の後ろにおる者、そやつもしかして…」」 「え…?」 ぐるんと振り向くと、そこには今朝鏡で見たばっかりのそっくりの私が。 …え? 「「う、ウソーっ!?」」 「「嘘ではござらん」」 「ななな何これ!?」「どういうこと!?」 「「お主もか!言葉を分けおって!」」 「「わ、ワケわからん!」」 多分、夢だ。これは夢。でなきゃ私には分からない。 夢夢夢…夢ならいい。夢、夢、夢… ―――――― 某タイヤCMより。 二人も五ェ門がいたら両手に花、ウハウハ天国状態になること間違いなしだと思います。 ← |