06

海を出た。あ、オヤジのでっかい船じゃないよちっこいくっそ火拳野郎の船でだよ。

「ほんとイヤになっちゃうよねー。こんな弱小船でグランドライン逆走とか正気じゃねえだろボソリ」
「降りろ今すぐ降りろ」
「いやだな。ジョークじゃないですかー」

わさわさと隊長を揺らす。ものすごい嫌な顔してるけど自分知らない見なかったことにする。「ハア、」てため息深い。ため息すると幸せ逃げるって知ってましたー?そんなこと言えばギロリ睨まれた

「すでに幸せどっか消えてるわティーチとお前のせいでなっ」
「え、なんだって?」
「次の島で補聴器かってやらあ」
「...いらねえしボソリ」
「ほんとなんで着いてきたの」

ハア、てため息し続ける隊長は自分を一瞥してきたから、じゃんけんしない?て提案してズシッて爪先踏んづけゲームしたら「なにがしてえの。ねえなにがしてえの」ておもいっきりやり返された。ズシッじゃなくてニギューて。顔おっかね

「いやだなー。その場を和ませてやったんじゃないですか。いてえなこのくそ火拳野郎ボソリ」
「最後のは悪意とみなしますー」
「燃えてる燃えてる。あ、てゆーか言うの忘れてたんですけど、自分たちの一キロさきの海賊船が自分たちに向かってなんか大砲狙っちゃってるんですけどー」

あぶないですよねー。自分死にたくねえし。ほらあーと指差せばまたハア、てため息された。幸せ逃げまくりだなエース隊長。ハン、良い様だぜ。

「お前、後でにしといてやらあ」
「とかなんとか言っちゃって殺す気ないんでしょー?」
「ほんと誰がこんな腐ったもんに育てたんだか...」
「生まれつきなんですけど」
「たまげた。お前の口から出るもの全てに」

驚いたー!!なんてオーバーリアクションするけどぜって思ってないだろ。後で海に落として自分助けに行こう。うわーありがとう。嬉しいなんて土下座させてやろう。うむうむと顎に手をあてながら考えていると大砲が。「あ」

「火拳っっ!!」
「パチパチパチパチーさすが。感動して涙出てきた」
「棒読み棒読み」

てゆーかお前も仕事しろよ。ゴツンと拳が落ちた。「マルコフたちは繊細に扱ってくれましたよ」と不満そうに口を開く

「へえ聞き捨てならねえな」
「だから燃えてる燃えてる。隊長、船が燃えてますー」

うおっ!あっぶねえなっと隊長が飛び起きる。てめえが燃やしてんだろボソリ。珍しく黙った隊長眉間にシワ寄せてしかめっ面。首かしげて頭上に疑問符浮かばせる自分は隊長の顔覗きこんでやればこれはまた「うおっ!」て目見開かせて後ろに後ずさった。

「なんだよっ急に!!」
「それこっちのせりふなんですけど」
「生意気だ」

ゴツンってがちでなんなのこの人、すげえめんどくさいんですけど。なんていつもならマルコフ答えるが今日からそれがいない。「さみしいもんですねー」て

「おれは寂しくねえよ」
「そんな冷たい火拳野郎とは思わなかったです」
「お前のなかでおれ底辺?」
「お互いさまでしょー」

ハア、てため息しすぎだろ火拳野郎

「さみしいっちゃあさみしいけど、まだバカがいるからな。」
「照れんなって」
「ほんっと燃やしたい」

やってみろ火拳野郎ボソリ next

06

嘘つき、走る

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