01

出会いは必然な訳じゃない。いやもう偶然すぎた。隊長と出会ったのは、ある島でのことだった。海賊とかそういう部類に無知で、自分でも情けなく。あの場で死ぬと思っていたから、どうでもよかったんだ。

「お前...名前は?」
「ヤシロ。...てゆーか人に名前聞く前に自分から名乗れよ」
「お前良い性格してんなあ。」

燃やしてやろうか?メラメラ。お兄さん、怖い。「助けてやった恩人に対してなーにお前」とか何様頼んでねえよ。とりあえずシカト、とりあえずムシ。よいしょ、と今までのなかったかのように座るへんな人。

「自分は頼んでないんですけど」
「なんでやり返さねえ」
「やり返す理由なんてないでしょ?やり返して自分にプラスになることなんてないし恨み買うのもイヤだし」
「お前いつか死ぬぞ」
「死んだらそんときが運命だったってことでしょ」

自分は受け入れます、なんて良いこと言ったな自分。もちろんお兄さんなんか納得いかねえて顔してるけど。初対面なのになんか説教されるのが可笑しい話だ。

「じゃあ俺がお前助けたのも運命か」
「それは自分たちが決めることじゃありませんよね」
「まあな」

なら一緒に来るか。お前の運命とやら見届けてやるよ。

「お兄さん名前は?」
「エース」
「ふうん」

変な名前、すげえめんどくさい。そう思ったが、なんだか死ぬのが馬鹿らしくなった。とりあえず生きてみる。 next

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嘘つき、走る

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