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「へぇ〜!お前海賊なのか〜!」
「うん。そう。海賊」
「へぇ〜!じゃあ仲間になるか?なんかいい奴そうだし!」
「それは無理ですー。あれだし。既に雇われてるし」
「ふう〜ん。それは残念だ!」
「…それよりさ、」

逃げた方がいいんじゃないんですかー?と促そうとした。けれどそれは遅かったのかもしれない。凄く面倒なことになるのは、この海にいるうちは当たり前のことだって親父言ってたっけな。「テメエっ、麦わらっ!」むくっと、どっかのくっそ隊長より早めに起き上がるのはあれだモクモク。すんごい怖い血相。うっわ、と思わず怪訝な顔をしてしまった。「げっ!」麦わらの顔も同じように。見る見るうち青ざめて面白いなー、と。

「わりぃっ!俺もう行くわ!また会ったら次は仲間になろうぜ!」
「…話し聞いてましたー?」
「待て麦わら!!」
「…ルフィ?!」

あーあ、とってもめんどくせえなボソリ。そのまま、三人店屋を出てくとか代金払えよボソリ。店の店主が自分を見てくるし「嬢ちゃん、もしかして連れかい?」これは絶対首を振ったらダメなやつだ。ぜってぇあいつら食い逃げするつもりだったよな。嫌になっちゃうよなぁ。「…無関係ですので」砲弾に当たって死ねばいいのに、と。自分の食べた分だけ払って自分も店を後にした。さて、どうした物か。くっそ隊長たち何処に行ったんだろ。手間かかせやがってボソリ。しばし探す旅に出る。




「…隊長、何やってんですかー?」
「おいお前おせえぞ。つうか何でルフィと喋っといて応戦しねえんだよ。お前の脳みそは飾りか?ええ?」
「…ぶっ飛ばされといてよく言うよボソリ」
「よし、お前燃やしてやる」
「の前に既に街が燃えてますー」

元はと言えば隊長が弟くんにぶっ飛ばされたのがいけないのに。ロギアの癖にぶっ飛ばされたとか滑稽にしか見えないんですけどー、ぷぷぷ。口に片手を当てて見下してやった。第一、自分がここに来た時には既に隊長が助けてんじゃん。用済みだし、と。そういえば「そういうこっちゃねえよ!」と何故か怒鳴られる。街の中でメラメラやるとか本当に白ひげ海賊団の一員かと疑うところだ。自分の的確な指摘に対して、慌てて隊長は自分の火を抑えるんだけど、まだモクモクがいた。あ。やっべ。巻き込まれそう。物凄く嫌な顔でモクモクとメラメラの対話をしばし観察するのだが、それだけでは終わらないのが海賊だ。

「…どういうつもりだ、」
「わりいな。弟なんだ。行かせるわけには行かねえんだわ」
「チッ、ふざけやがって」
「なんなら、うちの部下くれてやっていいぜ。無名だが手柄にはなるだろ。冗談だけど」
「冗談言うなら始めから言わないでくれません?無理に自分を巻き込むの辞めて欲しいんですけど。話がややこしくなるんで」

自分、引き渡すとか親父への裏切り行為に等しいから絶対に隊長はしない。分かってるからこそ死ねばいいと思いますーと淡々に言える。「てゆうか隊長、海軍集まってきたんですけど」全部隊長が騒ぎを起こすから。めんどくせえなボソリ。自分の言葉を聞かなくても分かってると思うけど。「お前はさっきからうっせえな。少しは静かにできねえのか。わかってるし」そう来たか。自分を喋らせてるのほとんど隊長なのにめんどくせえなボソリ。メラメラの威力を上げて隊長何するの、と思いきやそのまま海兵たちを炎で囲った。

「ワオ。さすが隊長、いざって時使えるところ尊敬します」
「俺のことなんだと思ってたお前」
「ただの単細胞だけじゃなかったんですね。お見事」
「後でぜってぇ燃やす!」

そういいながら、隊長は走る。逃げる。自分はその後を追うだけ。海賊といえば鉄板だよね!と場の空気を読めなく言ったのが隊長気に食わなかったらしい。走りながらドゴッ、と鈍い衝撃が頭に走った。要するに殴りやがったのだ逃げながら。起用だとか褒めたいところだが、やめた。「…で、これからどうするんですかー?」ティーチ捜しに勿論行きますよねー?当たり前だと思ったのに、可笑しなことを言ってくれちゃうのが火拳野郎なのだ。

「ルフィにあってティーチ捜す」

分かってたけど馬鹿だなと思った。「隊長ってもしかしてブラコンなんですかー?気持ち悪」冷やかしのつもりで言ったけど、これはこれで図星だったのか。ぶっきらぼうだけど、顔の頬を照れたように紅く染める隊長はもっと気持ち悪く見えた。まじでか。

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嘘つき、走る

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