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「隊長ー。結局、ティーチ見つけようとして何日たちましたっけー?」
「さあな数えてらんね」
「ですよねー」

知ってましたー。ほんとつっかえねえなボソリ。ゴツん、といつもの火拳野郎のゲンコツが降ってきた。あれっ小声で言ったはずなのに聞こえてたんですねー流石地獄耳。きっしょいくらい敏感ですよねー。今更そんな特技見せなくても誰も褒めねえよって言えばまた二回目のゲンコツが降る。あ。これさっきよりいってえし

「思ったんですけどティーチ探しに来たのになんで隊長、弟くんのビラあたってんですかー?その神経がもはや理解できないんですけど」
「なにその目っ俺が悪い事してるみたいな目」
「ワオ。自覚ないんですかー?」

人間としてどうかと思う。最終的の目的からずれてんの気づけよこのくそ火拳野郎め。いっそのこと破いてしまおうか、ビリビリ。例のビラを破いてやったら「ちょってっめっ、なにしてんだ!」隊長の焦る顔が滑稽ですー。そんなに大事なもんなら懐にでも閉まっとけって話だ。

「一枚くらい破いても実は平気のくせして小芝居するんですねー。何枚も隠し持ってるくせに白々しいだろボソリ」
「お前しっててやってるってどうなのそれ」
「その言葉そっくり返しますし」
「くっ不覚っ、なんも言い返せねえ!」
「ですよねー」

分かってなかったらほんとに全部破いてやるところだったんで、まあ、許すとした自分ちょうやさし。「隊長って私情持ち込みすぎますよねー」そこんとこの神経ほんとどうかと前から思ってたんですけどね。自重して欲しい。非難の声を上げればいつもは鉄拳が降ってくるのに、今は降って来なかった。よく見れば隊長ったらすごい複雑そうな顔してんの。ケラケラケラ、心の中で自分爆笑しとく

「いいだろ。別に」
「あ。わかった。最後の晩餐ってやつですよね。最後に拝みたかったってことですよね」
「やだなにこの子。縁起でもないこというなや」
「あれ。違うんですかー?アラバスタで待ってほんとに来るかわかんないのに必死ですよね」
「断じて違うしぜってぇ来るから安心しろって」
「どっからその自信でてくんだよボソリ」
「俺自身から?自信だけに」

まったく面白くねえし。キラキラっと自信に満ちた表情をする隊長、不安でしかないんだけど。怪訝な顔を露わにすればガシリ、と火拳野郎の腕が自分の肩を覆った。変な実くった隊長、自分の能力わきまえろよボソリ。もちろん口には出さないけども本音だ。

「…その麦わらっていうやつにほんとに会いたいんですね隊長」
「そりゃあ。あいつとは色々約束してっからな」
「へえ」
「それにお前にも合わせてえってのもあるわけよ。お前ぜってえルフィのこと気に入るぜ」

だからその自信はどっからくんだっつの。…にしても、名前初めて聞いたんですけど。だから、お前新聞よめって。どおりで今日の隊長、少し機嫌がよろしいわけだ。




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嘘つき、走る

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