09

サッチがいきてたときの白ひげオヤジんち。あれは自分がまだ白ひげに入ってちょうど一月たったときだっけな。自分の位置が底辺で雑用しかやらされなかったっけな。

「がきがいきがってんじゃねええええ!」
「怒ったんですかー?」
「すげえなお前すげえよお前。ねえなんで割るの?えなんで立て続けに割るの?怨んでる?え俺怨まれてんの?」
「まさか、そんな馬鹿な」
「ねえ何ができんのお前は」

もういい!頼まないもんっ!なんてしくしく床に膝つけて泣き出すサッチ隊長まじ勘弁。「大丈夫ですか?」なんて首かしげて顔覗きこんでやれば嘘泣きかよ。ガシリ肩つかまれた。思わず眉間にシワぎゅったなった。

「ふふふ引っ掛かったな」
「サッチ隊長、その不敵な微笑み気持ちわるいからやめてくれません?」
「よし冷蔵庫いこう、うん」
「話し聞いてましたー?」
「え。サッチ隊長の手伝いもっとしたいって?え。うれしいこというなお前」

いってねえし、いってねえし。だが聞いても聞いてないふりするくっそリーゼント。バシバシて背中叩かれ、そのまま腕掴まれグイグイ引っ張られる。「いやー助かるぜー」てくっそだながちくっそだな

「お前には冷蔵庫での任務を任せる」
「思ったんですけど、自分に拒否権ないんですねー」
「あ。わかっちゃった?」
「ほんとくっそだと思います」
「よしお前は魚をもってきてくれ」
「とことんスルーなんですね。ほんと死ねよボソリ。」
「えっ最後なんかひどくね?えっ」
「あ、つい本音が」
「...怨みあんだろやっぱ俺に」

ピンポーン、なんでわかったんですー?ていえば見てたらなっ、隠してたの?すげえよ隠しきれてねえよっ!だってさ。そうだったのか。ゴツンと頭殴られた。

「さっさと終らすぞ」
「冷蔵庫で凍死しろよボソリ」
「だったら道ずれだっっわはははっ!」

そんなミスは自分しねえし。ふんって顔してるとサッチ隊長めっちゃ笑う。そしてバカなんじゃないんですかーてくらい彼はやらかした。笑いすぎで体制くずした隊長。パッと冷蔵庫の扉のドアノブから手を放した。「あ」ガチャン...

「え」

もはや本気に死んだほうが良いと思う。てゆーか本気に死ぬ状況だし。ギロリ睨んでやる。リーゼント野郎額に汗浮かべて「アハ」なんてうっぜえな。

「扉しまっちゃいましたねー。本気に凍死プラグですね、自分たち」
「ええええっっ!!!うっそっねえ、うっそだろおおお!!誰かー!!!」
「たしか外からでしか開けれませんよね。冷蔵庫」
「えらい冷静だな」
「ワオ。たまげた」
「ほんっとごめんなさい。目が笑ってないよお前」

当たり前だろ。リーゼント野郎と仲良く凍死なんてぜってやだし。火拳野郎に笑われる鼻で。イライラが募ってくる。

「地獄に行ったら自分きっとサッチ隊長踏んづけます」
「え。切れてる?ねえ切れてる?」
「切れるなって方が可笑しい」

ほんっとにごめんなさいって土下座姿のリーゼント野郎が目の前に。 next

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嘘つき、走る

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