わたしは結構性格がゴミ以下なのかもしれない。かもしれない、ていうのはわたしは断じて思っていない証拠でナギ氏にこんな話すると腹を抱えられて笑われた記憶がまだ新しい。ほんとに失礼しちゃうよなー。目に涙(ウソ)を浮かべてるいつも通りで二人の茶番劇。賑やかくわたしら二人が話していると通りすがりの候補生にぶつかった。その反動でわたしが持つに相応しくない本を廊下にぶちまけた。手がすべっちった、てへっ。ちょっとふざけてみる。「ったく、なにやってんだよお前、」呆れた声でナギ氏がいう。言いながらも落ちた本を拾ってくれるあたり、さすが学園アイドルだとおもうよ。また目から涙(ウソ)がでてきた。

「あ、わりぃ、大丈夫か?」

ふざけながら拾ってるわたしら見て、なんとも常識あふれる言葉っ。「大丈夫よー。」しかも誤ってくれるなんて。わたし誤ってないのにね。偉そうに気にすんなって言えば、ナギ氏はこういう「…明らかに、お前からぶつかってったけどな。」俺、見てましたと言わんばかりの冷めた目だ。てへっ。わたしが謝れやって言いたそう。

「ごめんな、今のはこいつがわるい」
「えっ、私たちじゃなくて?」
「なに俺まきこんでんの。」

たしかにぶつかったのはわたしだけども。ぶつかった原因をつくったのはナギ氏じゃんね。共犯じゃんね。信じられねぇ!て顔してるとドゴッと頭上に鈍い音が走った「だとしても俺は謝った。お前なんで謝罪できないの」まるでお父さんのような発言だな。懐かしい。しょうがないな、と殴られたとこをさすりながら前をみた。

「あ。」
「…なんだ?」

俺の顔になにかついてるか?という目の前の彼に思わず目ん玉飛び出る寸前だった。おおと。これってディステニー、絶対運命だとおもったよ。キラキラ、という眼差しを彼に送った。まるで一目惚れしちゃったっていう少女漫画の主人公のように。「クラス0ボーイじゃないか」まさか、こんな偶然が。クラス0とわたしはいずれ落ち合う運命なのだな。それ見てナギ氏は引いているけど。

「…ああ、そうだけど、」
「あ。わたし?ナギ氏のクラスメートだよ。ちょう天才の。」
「やめろ!天才いうな!こっちが恥ずかしいわ!」
「てれんなって。」

ちょっと褒めればナギ氏の扱いなんて楽勝だ。みるみる顔を赤くしてくナギ氏は幼稚のくせにこういうのダメだよね。グッジョブと親指を前につきさす。そのわたしたちの光景をみて「ぷっ」という笑い声が前方から。同時にわたしたちが見たとき、笑いを堪えてるようにしか見えないエイトくんが。

「仲良いんだな。」
「普通だよ。え。クラス0仲悪いの?」
「いや、そんなことはない。ただ、バカみたいで。」
「ナギ氏、たいへん。馬鹿みたいだって。」
「お前がな。」

どうやら私たちは外からみると馬鹿に見えるという。しらなかったわ。俺も知らなかったわ。本気で落ち込むナギ氏にかけてやれる言葉なんて持ち合わせていないのだ。「いい意味でだよ」エイトくん、それフォローになってないような気がする。

「見てて気持ちいい馬鹿だよ。」
「ワオ。そんな馬鹿になれるんだね。」

初めて知りました。喜べないけど、私の場合は今更じゃないからダメージ少なし。褒められたと受けとってみることとする。「俺たちはそんな馬鹿なことできないからな、立場上。」となんとも寂しいことを言う。そっか、クラス0ボーイ真面目すぎて若干引いた。

「まぁ、クラス0ボーイだしね。」
「それを理由に使うのはどうかと思うけど、俺たちは任務のことしか頭にないからな。」
「だよね。すっごい窮屈。わたしクラス0ガールじゃなくてよかったよ。」
「お前クラス0に俺はなる!みたいなこと言ってなかったっけ。」
「昔ね」

呆れたものだ、ナギ氏これ以上口だすべからず。それ聞いたエイトくんが驚いたようにいう「クラス0に入りたかったのか?」そういうの何回目だ。数えきれない。指がたりない。わたしはイエスだけを答える。出世したかったんだよねー。魔法つかえないけど。またエイトくんは驚いたように目を見開いた。

「驚いたな、魔法苦手なやつは沢山いるのは知ってるけど魔法使えないなんて。」
「そうそう。あれ。魔法苦手なやつもいんの?」
「ああ。クラス0でもいるぞ。俺も得意じゃないけど、武闘派はほとんどかな。」

まじでか。その言葉を聞いて少しホッとした気持ちになった。ナギ氏が横でぶつくさぶつくさ言ってるけどわたしの耳には入れないようにした。「ほほう。なるほど。」考える人のポーズを無意識に。

「魔法使えなくてもクラス0も夢じゃないのか」
「高い戦闘スキルはいるけどな。」
「マキナとレムちゃんが魔法得意だから若干引いてたんだよね実は。」
「…お前、変わってるな、」

逆にエイトくんが今のわたしに引いている。クラス0に今更入りたいなんていうやつ変わり者でしかないよ、とエイトくんが続けるのだ。面白珍しそうにわたしの言葉を聞いているエイトくんは聞き上手だとおもった。

「ただ、魔法は少しでも使えるようにしたほうがいいかもな。」
「なんで?」
「だって、窮地に陥ったとき防御魔法なかったら終わりだからだよ」

その言葉で目が覚めた。やっぱりクラス0ボーイは違う。実践慣れって素晴らしい。まさしく経験者は語るって勢いだよね。わたし独りそれに感動してるけど、横からナギ氏「当たり前のことだろ」と。ナギ氏って時々空気吸えてないよね。読めてもないけど。また頭上に鈍い音が走った。冗談なのに殴るなんて。この光景はデジャヴ。くすり、と笑う声がまた前方から。

「仲良いな。ほんと」
「だよね、びっくりしてる」

エイトくんはどうやら他のクラス0ボーイよりは常識ありそうな人物だ。良いやつってことにしておこう。ふむふむ。




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