850年
「勝利の美酒だァ!!」
「何言ってるのハンジ。調査兵団はまだ勝ったわけじゃないんだよ?」
「お酒があるのにもったいない!レアも飲みなって!」
「うぐっ.....ぐっ、うっ」
酔いがまわってもいつもと変わらないハンジに酒を煽らされ、レアはボトルを一気に流し込んでいる。
リヴァイはいつも酒の席ではレアの隣で静かに飲んでいるのだが、それはレアが酔わないようにセーブするために座っているのだった。そう、レアが酔ってしまうと色々と大変なのだ。
それをセーブできなかったのは、偶然俺が席を外していたからで、といっても用を足しに行っていたので、本当に俺のクソな行動でレアの周りがもっとクソな状況になってしまったわけだが、
「ねえ、今日一晩どう?」
「っ.........!!レア副団長となら!本望です!!」
「よし。じゃあそこに布団敷いて」
「え!!?ここで!!?」
「私のこと、キライ?」
「〜〜っ!大好きです!!」
レアは酔うととんでもなく破廉恥な女になるのである。
目についたもの全てに淫らな視線を向け、豊満な体で猥褻行為を繰り返す。過去に食われた男は数しれず、と言いたいところだがそれは俺が全て阻止している。
「いいかハンジ。ここからは狩りだ」
「リヴァイ.......君の覚悟には恐れ入るよ」
二人にとって巨人よりも手強い、オープンエロへの進撃を余儀なくされた。
いや、でも兵団内でもかなりの手練であるリヴァイ兵長と、ハンジ分隊長なら大丈夫だろう......きっとなんとかしてくれる。兵士達は彼らを見守るしかできない。エレンも、その中に混じって固唾を飲んで見守っていた。
それがまさか、あんなことになるなんて。
「おいレア。やめろ」
「あ、リヴァイ」
動かないで。レア副団長とリヴァイ兵長の吐息は止まらない。ああ、どうしてこうなってしまったのか。分からないがこんなところに、俺はいていいのだろうか。頼みのハンジさんは酒を飲みすぎたせいかもう寝てしまった。
「ねえ、雄っぱい少し大きくなったんじゃあない?」
レア副団長がリヴァイ兵長の胸を触っているという、この状況に。
「触るな」
「あたしの癒しを奪う気?」
レアさんと兵長が互いを見つめあっている......いや、これ睨み合ってるのか。
なんだこれ.....グロテスク....俺、ちょっとゲロる.....そんなひそひそ声が後ろで交わされている。反対に、この絵面は見てられるかもしれない、一周まわってエロい。だとか興奮している奴らもいる。俺はどちらでもない。怖い。ただその場に立ち尽くしていた。
「弾力があって........まるで女の子ね」
レアさんはなぜか一人でシラケた表情をキープしている。真顔でそんなことを言える人間はこの世界で多分あなただけだと思います。
そして全く感情がないような目を兵長の目から自分の胸元へ移すと、兵長の手を引き本物のおっぱいへ密着させた。ご自身の、レアさんの胸にリヴァイ兵長の手が触れて、レアさんがなまめかしいため息をつく。え.........エロい。
「リヴァイ。あたしのと比べると、ほら、こんなに違うの.......」
「いい加減落ち着け」
こんな公開エロ処刑をされてもリヴァイ兵長は動じなかった。さ、さすが人類最強だ。俺達の中からも歓声が上がる。
「す、すごい」
「兵長.....鉄人だ」
しかしそんな人類最強と言えども、今相手にしているのはただの巨人ではなかった。あの人類の英雄、今は魔性のエロ女と化したレア副団長なのだった。
「あたしの鼓動の音、聞こえる?手じゃよく分からないよね......直接、聞かせてあげる」
「は」
た、大変だ!リヴァイ兵長が、あの人類最強とも言われたお方が......歩くエロスレア副団長に顔を胸で挟まれてしまった!!
こんなの!オープンエロすぎる!しかも、こんな大きな胸じゃ、兵長はきっと息もできない....。終わりだ。人類最強も、英雄を前にしてはここまでだった......。
俺が床に膝をつくと、先輩方も同じような気持ちでいたのか、机にやるせなさをぶつけたり、各々この世の終わりを感じていた。そして場は、悲壮感と絶望感に包まれた____
「リヴァイ待って!昨夜何があったのか教えてよ!」
「いや、死んでも言わねぇ」
「は?【おしおき】されたいんですか?」
【クソ眠い会議に代わりに出てもらう】
「【おしおき】だと?」
【レアの胸という天国】
「そうだよ。悪い大人にはおしおき」
「いや。もう昨日の続きは......」
「え、鼻血出すほど?」
30.8.23
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