※R18 冒頭に少々まだ学生達は学業に勤しんでいる昼間。
太刀川隊の仮眠用ベッドでは、二人の男女が向かい合い座って悪しからぬことを勤しんでいた。
「いいよ、慶」
「本当に、いいですか?」
「ダメって言ったらどうするのよ」
「無理矢理犯します」
「あっ、ん…」
男が女の陰部を指で優しく撫でた。
何回か繰り返すうちに、足りなくなったのか二人の息を荒れさせ、激しさを増していく。
「元はと言えば紅恋さんが俺の欲を感じたからでしょ」
「ん…ふぅ、ん」
「そんで俺の首に手を回さなきゃ、こんなことにならなかったんですよ」
「こんなことを望んでたくせに」
「ズルすぎますね」
「ふぅ…あぁん」
「紅恋さんのことだから、次俺がほしい物もわかってますよね」
「私が、ほしいんでしょ」
「ご名答。手加減しませんよ」
男は女へと身をしずめていった。
##NAME2##紅恋。
近中距離手であるその女は、168pの長身に美脚、美顔を合わせ持ち、ボーダーの中でも一目置かれている。21歳。
そして、年下の太刀川慶と情事の真っ最中だった。
コン コン
「太刀川、入るぞ」
「「げ」」
「…」
「こ、これはね風間さん!」
「いいとこに入ってこないでよ」
「お前ら早く服を着ろ。話はそれからだ」
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「知ってるか、紅恋。
サイドエフェクトは使い方を間違えると大変なことになる」
「そんくらい知ってるわよ」
「今のお前の使い方は間違っている」
「そんくらい知ってるわよ」
「じゃあ何であんなことをした」
「は?」
「…」
「慶のこと、もしかしてやきもち焼いてんの?」
「違う」
「じゃあ何よ」
「やきもちを焼く暇があったら、お前を焼いたほうが美味しそうだ。
あぁ豚肉のカツカレー食べたくなってきた」
「誰が豚だこのやろう」
「早く食堂行くぞ」
「解せない!豚が解せない!」
あの後太刀川と私はボコボコにされた。
隊室でのびてる太刀川を置いて生き残った私は、まだ話があると言った風間に廊下まで連れ出されていた。
はい、きたお説教タイム。
一回捕まると長い上に、そのままご飯を奢らされたりする。
ご飯で気を良くしてくれるのは良いのだが、なんでいつもいつもカツカレーを選ぶのか、私には分からない。
どっちか選べというとシチュー派、カツよりも煮込んだお肉のほうが美味しい。
そして食べ物の好みが違えば、恋愛のやり方も考え方もこんなに違ってくるものなのか。
風間はいつも私の恋愛のやり方に対して怒る。
私から恋愛事情を漏らすことなんてないから、噂でしか風間が知るもとはないのだけれど、たまに現場を見つかり怒られる時がある。
そう、今日みたいに。
無表情を崩してめちゃめちゃ怖い顔で、もっと自分を大切にしろと言ってくる。
結局心配してくれてんだからその怖さは余計じゃないの、と返すとお説教は延長戦へ持ち込まれる。
生まれた時からほぼ隣で過ごしてきたはずなのに。
いや今のは盛った、実は幼稚園くらいだけど。
今私の手を引っ張り前を歩くのは、とんでもなく気が合わない幼なじみ。
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「やっぱりカツカレーなのね」
「うるさい、紅恋だっていつも同じだろ」
「残念〜、前はラーメンで今日はハンバーグ定食でした〜」
「なんでもアリか、デブまっしぐら」
「カレーのスパイスで頭いかれたんじゃないの?見ろこの食べても太らないボディーを」
「じゃあこの前家にあった腹筋ワン○ーコアは何だ」
「この前家にきた彼が置いていったのよ!」
「紅恋、家に一夜付き合いの男は呼ばない主義じゃなかったか」
「うっ…」
「俺には勝てんな」
そう、勝てない。
紅恋は俺に勝てない。同い年の女に対して対抗心を燃やすのはどうかと思うが、前からついた癖はなかなか抜けないもので。
俺はいつも食堂で同じメニューを頼むけれど、紅恋は気分によって毎回変えている。
最初、今日は何を食べるのかと少し面白がってみていたけど、最近になって気付いた。
これは俺たちの恋愛のやり方と似ていると。
男を取っ替え引っ替え遊んでいる紅恋に、長い片思いをする俺。
今のじゃ俺と紅恋と他の男の三角関係っぽく聞こえるかもしれない。
まぁ言ってることは正しいのだけれど、簡単に言えば紅恋は短期決戦型で俺が長期忍耐型。
ちくしょう。
世間一般的に言えば逆で、男は短く、女が長い恋をするものなのに。
紅恋の男癖の悪さはどうにかならないものか。いつまで俺は紅恋に叱って分からせてやらなきゃならないのか。
もう15年以上一緒にいるのに理解できない。
あと何年一緒に過ごしたら分かるようになるのだろうか、とんでもない幼なじみめ。
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風間と幼なじみではじめました。
紅恋をどうにかしたい風間です。
27.11.8