「さよなら」




そんな泣きそうな面でなにいうてんねん
嘘まるわかりやないか
幼なじみやめる?
おー上等じゃ
むしろそっちのが都合ええっちゅうねん




「ええんやな」

「……なに、」

「幼なじみやめるゆうたんはお前やからな。後悔したって知らんぞ」

「後悔なんてしないし」

「あっそ」





ホレ見てみぃ俺がお前に興味ない振りすれば傷ついたような顔するくせに、相変わらずの意地っ張り。

でも昔から変わらないそういうところに惚れた
名前に彼氏ができたなんて聞いて相手ぶん殴ったろ思ったくらいに、
いい加減気づけやアホ





「っ……わけわかんない」





俺に背を向けた名前を後ろから抱き寄せればびくりと小さな身体を揺らして、それから諦めたように身体を預けて言った。




「俺だって昔っから幼なじみなんちゅう関係嫌やったわ」

「っ」

「それのせいで一歩踏み出すタイミングのうなるしお前は俺の気持ち知らんとへらへら笑って好きなやつできたやら彼氏できたやら言うてくるし」

「……悪かったわねへらへらしてて」

「おまけに鈍感やろ?いまだにわからんみたいやしなぁ」





首元に顔を埋めるとまた揺れる身体。あー押し倒したい。こんな想ってんのになんでわからんねん、





「好きや」





名前の顔を盗み見るとあからさまに目を見開いて驚いていた。ほんまにドのつく鈍感、
まぁそこがかわええんやんなぁ





「う、嘘!」

「なんでこの場面で嘘言わなあかんねんアホか」

「だって、だって可愛くないって!お荷物だって……幼なじみなんて嬉しくないって言ってたじゃん!!」





それを聞いてついさっきの教室での会話を思い出す。こいつ……聞いとったんか。





「おー言うたわ。かわいないしドジでのろまでお荷物でおまけに鈍感」

「ぅ」

「でも好きなもんはしゃあないやろ。そういうとこもろもろかわええと思うし幼なじみやのーて恋人になりたい思うんやから」

「……真子、」





いまだ信じられんゆうような顔しとるけど、一応伝わったやろ。腕のなかの身体は小刻みにふるえて愛しさが増す。かわええなぁ





「あ、あたし、真子があたしのこと嫌いなんだと思って」

「んなわけないやろ」

「あき、らめようと思ったの。どんどんはまっていきそうで怖くて」

「……」

「でも、やっぱり諦められない……真子が、好き」





顔を赤らめた名前に我慢は限界。
ベッドに押し倒して乗り上げればきょとんとした顔で固まる名前。





「さっきは嫌いだのいらないだのよう言ってくれたなぁ?」

「え……真子?」

「傷ついたわー」

「う、」

「それともう限界やねん。何年待った思てん」





堪忍なぁ



いやいやと顔を真っ赤にして首を振る名前も、なんやかんや満更でもないんやろ?

名前の額にキスをして目を合わせれば、恥ずかしそうにはにかんだこいつにまだまだ振り回されそうやなぁと俺も笑った。




「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -