目が痛い。焼けるように痛む。
声が聞こえる。悲愴な叫びが。
誰かが泣いている。…わたしも?
震えが止まらない。
苦しい。痛い。悲しい。
「助けてくれぇ…!」
「いやだ!死にたくない!」
痛い…痛い…
誰の叫び声?誰の泣き声?
「おとーさん!おかーさん!」
「この子だけでも…っ」
痛い…痛い…
家が燃えている、空が赤い
「くそ…―――、め!」
「返り討ちにしてやる!」
痛い…痛い…
銃声。怒声。爆音。断末魔。
『お前たちの瞳を戴く…―』
瞳が、痛い。
「っあ、あああ、ああ」
「!ゆあ」
「痛い…痛いよ…やめて…」
「…一体どうしたんだろうね」
ゆあが急に意識を失ったので慌ててホテルへと戻ってきた。ベッドに寝かせたはいいものの以前と意識は戻らない。うわ言のようになにかを呟き時折痛い痛い、と暴れ泣き叫ぶ。
まるでなにかに襲われているかのよう。
痛い、と叫ぶが怪我はしていても悪化はしていない。泣き叫ぶほどの痛みはないはずだ。それにゆあはずっと目を抑えている。
「目が…目…やめてっ、ぁああ」
そしてたまに瞳から血を流すのだ。その度にイルミが拭う。タオルは血で真っ赤に染まっている。
「病気…ではないよねぇ」
「………」
「イルミ、気づいてるよね?◆」
「うん」
先程からずっと違和感を感じていた。ゆあの念がずっと発動している。しかもすごい勢いで。このままではオーラの出しすぎで最悪死んでしまうかもしれない。
それほどにすさまじい勢いだった。
「…ゆあって、特質系だよね」
「そうだよ◆」
「確か全ての系統を50〜80%使える」
「……そのはずだよ」
「…今のゆあのオーラを見る限りでは」
「そうだね、100%は出ていそうだ◆」
ぐるぐる、とごうごうと
燃えるようなオーラ。
不安定にゆらゆらとしている。
「…痛いよう、痛いよう…っあ、あ、あ」
「無理にでもゆあを起こそう。」
「っ、いっ…うぅ…」
「このままだと…」
「そうだね◆」
本当に死んでしまうかもしれない。
ヒソカも今ばかりは真面目な顔。
ベッドへと近寄ると、優しく呼んだ。
「ゆあ」